タツノコプロ制作のアニメ。子供の時見たよ

大人になってから見返した。リズムもよくて絵も格好良くて、タツノコらしい動きも楽しい。オープニングのビル群を飛び降りるところとか、作るのは難しいですよ。

ウラシマン、車からジャンプ。伸身の後方宙返り。最高点から落ちてくるウラシマン。

記憶ではそのままの流れでウラシマンを追いかけていくと思っていましたが、いま見返したらいったんカットが切り替わってフレームの中でウラシマンは下に落ちていきます。

印象ではずっと人を追っていたのに、ぜんぜん違いました。目の前を通り過ぎるカットを作ると間延びしてしまうので、その部分は省略しているのでしょう。アニメは作画と撮影技術を褒める人はいますが、コンテとコンテ段階での映像の編集も評価すべきです。

ウラシマンのジャンプでいま見るとなるほどなと思う点

作画もすごいし、カットの組み立て方が興味深いです。ジャンプでカメラは上に向き固定、フレームの中でウラシマンが近づいて来て一瞬光る。次のシーンはカメラを俯瞰でビル群を見下ろす構図になります。

上向き、下向きの映像が、ウラシマンの動きで全部繋がっているのが面白い点です。

縦横無尽

ウラシマンの世界に入り込めるように、とくに導入部分の設計が素晴らしい。

ウラシマンがフレームの外に視線を向ける点に注目してオープニングを見ていただきたい。ウラシマンの視線がフレームの外にある何かを追いかける、次のカットでその答えを映し出す。

答えのロングショットで見せるときに、視聴者の視点はウラシマンにコントロールされていますから、視聴者が丁度カメラ位置に来るように、つぎからつぎに畳みかけて来るのです。その効果で、カメラといっしょに自分が移動しているように感じるのです。この疾走感が楽しい。

寄りと引き

マグナビートルが四輪横滑りしながらカメラにぶつかってきて、つぎの瞬間バイクが向こう側に周りながら離れていくシーンもカメラ位置をかなり意識させる構図です。

移動分署のマシンを正面から撮影した図は広角レンズで撮影したようにレンズの外側にあたるぶぶんの枠近くのパースがひしゃげています。

実体験があるからこそできること、そしていま、失ったもの

車の回り込みなんて書くのは難しいはずなのです。いまなら三次元のモデリングができますから簡単でしょう。

だた、マグナビートルの回転をみると、このオープニングのこのシーンを書いた人は相当に車に詳しい人であることがわかります。

自動車は、重心部分にワイヤーを引っかけてつり上げて回すと、くるくる水平に回ります。しかし、タイヤををつけて地面の上で回したときにはそうは行きません。タイヤには溝があり横滑りしにくく作ります。ですから横方向には回りにくい。

マグナビートルはこちらに迫ってくるときステアリングを左(向って右)に切って後輪を滑らせています。サイドブレーキを引くと、もしかしたらアニメそのままの動きになるかもしれません。

車体が真横になるところまでの速度と、真横になって速度が落ちてからの動きが違うんです。横滑り、ブレーキでタイヤの煙、車体の沈み込みが復元したところでブレーキを解除、後ろ向きにふわっと進みます。これはやったことがあるドライバーか、よっぽど自動車のスピンを観察したひとじゃないと作れません。

当時のタツノコプロは、社内に撮影所があり原画動画撮影まで内製できたそうですから、こんなむちゃくちゃな面白いものがつくれたのです。

いまはコンピューターの中で車は走ります。ただ、見ていると重量を感じません。どうして感じないのかというと、もしかしたら仮説ですが、三次元のモデリングアニメーションを作っている人たちが免許を持っていないのかもしれない。

仮に免許を持っていても、軽い自動車でスリップをしたことはないでしょう。車体全体が前に押し出されるタイミングは、もしかするとリアエンジンリア駆動であるワーゲンの挙動まで考えた上での作画かも。



Tweet このエントリーをはてなブックマークに追加
ページ先頭