天体望遠鏡の向きを変える装置

赤道儀

赤道儀は天体望遠鏡独特の装置である。カメラ三脚で言えば雲台に当たるぶぶんに赤道儀が組み込まれる。

天空は日周運動をしているので見かけ上水平線とは別の軸で回転している。

分りにくいだろうか太陽で説明しよう。たとえば太陽にずっと指を指し続けるとどうなるか。東の空で右斜めにもちあがり南で水平の緩い弧を描き、西の空で左下に沈む。北の空では反時計回りの円運動である。

それぞれ北極星を軸とした回転運動である。そのため、一般のカメラ三脚に望遠鏡を乗せて月を追いかけると常に視野の外に月は移動してしまう。東の空であれば視野の右上、天体望遠鏡であれば左下に逃げ続ける。

天空の移動に沿って軸を取り付けてひとつの軸の移動だけで天体を追尾できるようにしたそうちが赤道儀である。

追尾装置です

一般に前週運動であるから極軸はウォームギアが使われる。極軸とは赤緯軸で北極星に向けた軸でこの軸を回すことで望遠鏡は天空の星ひとつを常に追いかけることができる。

もういっぽうの赤経軸は極軸と垂直に交わり望遠鏡に星を導入するために回される。

一般的な良くみかけるのはドイツ式。片持ちで望遠鏡の反対側にオモリを付けるタイプ。モータードライブとパソコンとソフトをつなげることで自動追尾ができる装置もある。

経緯台と赤道儀の違いは?

写真撮影で長時間露出が必要な場合は赤道儀が必須である。近年カメラ側のソフトウエアで追尾する仕組みが備わったり、経緯台のモータードライブを制御して経緯台なのに自動追尾できる装置ができたりと、赤道儀である必要が薄まりつつある。

かくいう私も赤道儀は自作した未完成品があまりに使いものにならず、以来経緯台ばかりである。

天体望遠鏡の全部反対になる視野も苦手で、いまでも単眼鏡と簡単な三脚で星をみることが多い。大型双眼鏡の架台は重量の問題で赤道儀にするつもりもなく経緯台である。写真をとらないならば、経緯台のほうが簡易で安上がりのため入門機に使われる。

赤道儀は上級者向けで、視野の導入も慣れるまで大変。追尾しはじめると楽であるが、長時間追尾する必要が出てくるということはもうその時点で上級者だ。天文台や観測会ででてくる機材、学校の教材は赤道儀が多い。

経緯台

垂直軸と水平軸をもつ望遠鏡の架台のこと。カメラ雲台はほぼ経緯台である。水平回転の軸と垂直方向の上下に動かせる。

ネジで回して上下させるには、ウォームギアを組み込むかタンジェントスクリューを用いる。ウォームギアは高価なので、安い経緯台には微動自体が着いていない。

タンジェントスクリューは軸と垂直に棒を突き出しその棒を使って軸を回転させる微動方法である。タンジェントというくらいだから円運動にはならない。ネジと棒の角度に制約がうまれ、一回転はできないが天体観測であれば夜間で180度。実際には3時間で45度も回れば十分である。

写真撮影は経緯台では出来ないと考えられがちだが、フィルム時代の星野写真の作例をみると結構経緯台で追尾している猛者がいらっしゃる。

おもに入門機は経緯台。高級機は赤道儀となる。



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