ティッシュの箱を入れる装置

ほしくなる車がない。

ガイアの夜明けで軽自動車戦争をみたら、自動車会社で作っている人たちがどれもおじさんばかりでした。軽自動車は軒並みリッター28キロも走るのだそうです。うちの車では出せない数字です。先日ドライブをしたときにがんばってリッター24キロが限界でした。高速にでものれば25を越えるかもしれません。

スズキは販売店はいかにも「車屋」であると女性に忌み嫌われているそうです。車屋に来て車屋が気に入らないのはただの言いがかりです。美容室の愛想笑いがサービスだと思う人にあわせるとロクなことになりません。そうはいっても軽自動車が主力のスズキの販売店は女性顧客を無視するわけにもゆかず、会社の中に女子改なるチームをつくり三鷹に女性視点の販売店を作ったようです。店舗は中央に託児スペースを置いています。女性の意見を聞いて車を作ったら社内に箱ティッシュを入れる隠しポケットだらけになっていました。もう内装で手を拭けるようにシート自体をタオルかティッシュで作ればいいのに。

いまどきの軽自動車は作っても楽しくなさそうです。寸法上限が決まっているので、内容量を最大にしつつエンジンを配置し、燃費を考え流体力学上正しい形を選ぶと前面シールドガラスの取り付け角度がすこし変わるくらいで誰がどうつくっても遠目に似た車になります。良い方向に洗練されてはいますが、形のやりようがありません。自動車ってこんなに形が不自由ものだったのでしょうか。これじゃあ作っても楽しくありません。トミカのミニカー原型師がかわいそうです。まだ使い捨てにされる日用雑貨の形を決める係のほうが楽しいと思います。

女性の視点というわりには開発部門に女性がいないのは妙。乗り物として正しいかどうかはあまり考えない方がよさそうです。もうそろそろコストカットもきわまって、ボンネットにポリプロピレンを使いはじめると思います。そうなると多少形の自由がききますが、空力と構造上の剛性の縛りがあるのであんまり形は変わらないでしょうね。より鉄を減らして内燃機関ではないエンジンを乗せるときは一瞬きらめきそうですが、最初だけで結局ドングリの背比べになるのでしょう。それはつまらない。もう次はティッシュの箱が何箱入るか、メーカーごとの競争ですね。