オリンピックは来ない

ロボットと握手なんかしてないで、原発作業用ロボをちゃんと作ればいいのに。

あのロボは実戦向けではなく癒し系。ロボが台車を引いて歩く電池屋の企画がありましたが、いちどモーターで作ったエネルギーをクランクを介して人の足の動きに変換して歩くため、大幅なロスを生みます。ただモーターに車輪を付けて走らせてもだれも振り返りはしませんからあの企画になったのでしょう。でも、ちょっとでもエネルギー効率のことを考えるとあれはないなと思うのです。

海外メディアはオリンピックの東京開催と福島の汚染水問題を一体としてみています。たとえば内戦が収まらないシリアが「オリンピックをやりたい」と言ってもだれも聞く耳を持たない。そこと東京五輪は同じ扱いです。やりたいならちゃんとしろということでしょう。

政府の答弁は貧乏くさくて、国内向けに発表している「がんばっているんだ」とか「一生懸命努力しているのだ」という半分感情論をそのまま対外むけに使っていました。それは、国内向けには通じますが欧州メディアに通用しませんって。ロボットと握手して技術力をアピールしていると思っているのは、たぶん演出を頼まれし代理店の会議でああなったのでしょう。

欧州に住んでいる、それほど科学に関心のない普通の人からみると、ロボットと握手をしてすごい!と思うよりも汚染水タンクが漏れてしまう国として認知されていますのでなにをやってもダメでしょう。あれ、本当は汚染水タンクを自動で組み立てるロボットの映像を見てもらったほうが、何十倍も効果があった筈です。

複合ビルでイベントをやりたいんだけど下水処理の浄化槽が壊れているようなものでしょうか。ビルのオーナーは平気だっていうけれどくさくて、外からみるとどうみても壊れているのが分るとき、その建物を信用するひとはいないでしょう。ビルの上がマンションになっていて、そこを買って住んでいる人はオーナーを信じて平気かもしれませんが、外から見たらふつうにあきれてしまうでしょう。ほんとうにあのロボットと握手なんかしていないで、少しは人間の代わりに作業できるロボをつくれと思うのです。

試しに東芝が作ったら、馬みたいなのっそり動くのが出てきて。あれを見た瞬間、あの原子力災害は解決できないんだなと悟りました。

▶ 東芝が4足歩行ロボを公開、福島原発での活躍に期待 – YouTube