竹田城

天空の城こと竹田城がついに入場制限に。観光客が登って城が崩れた。修復作業が始めるという。先日も怪我人が出て次は手すりを付けるそうな。

城は要塞で軍事施設だ。怪我ぐらいでガタガタ騒いじゃいけない。行政に関わる人は怪我人がでると管理者の責任になる、それはいやだと責任から逃れるためにいろいろと手を尽くすのだ。

いささかやり過ぎではないだろうか。むしろ城なのだ。観光客が上れない落とし穴を掘る、年寄りが上れないような階段を越えないと上れない順路をつくろう。それでこそ城だ。

そのうち、だれでも上れるようにエレベーターを付けるだろう。手すりが付いて、麓に竹田城まんじゅうのおみやげやが出来て地方のイベントで食べていきたい他府県出身の演歌歌手が歌う「竹田城音頭」が私の耳元に鳴り響いている。

手すりが付いて側面が透明だからって全天候型のエスカレーターを付けて景観をぶちこわしたところで世界遺産に登録を申請するのであろう。ふるさと創生一億円がいま配られたらコンクリで補強しちゃうね。

なんにでも手すりを付けてしまう過保護な人は公園の滑り台の下に厚手のゴムマットを敷く人たちだ。私が子供だったころ使っていたのは錆びていつ壊れるかわからない遊具ばかり。どう考えても鳶職人以外はてっぺんにのぼれないだろう5メートル越えのパイプで組んだ塔や、乗ると一日気分が悪くなるベアリングの軸に吊したタイヤの遊具がありました。当然気持ち悪い一日を過ごしたわけです。昔の遊具はある時から急に見かけなくなりました。

たしかに下に入り込むと加速度の付いた丸太に押しつぶされるブランコは危険です。何人潰したことか。手を離すと吹き飛ぶ旋回塔も危ないのですが、海外の映像を見てると向こうではまだまだ現役です。

命を取られるのはダメだけれど、あんまり大人が過保護に先回りしすぎると子供は公園で遊ばなくなりDSとかwiiをするのです。いまの子供は高いところから飛び降りたりしません。

危険には甘い香りがします。

いまの子供から危険な香りを遠ざけると大人になったとき反動があるぞと、話を締めくくろうと思ったけれど危険な甘い香りは一度すっていないとあとでソレが良い香りだとはわかりません。

崖を滑り落ちる途中にたまたま股が木にはまって止まったり、クレーンに縛ったロープの選択を間違えて頭から落ちたり、神社といっても元々は城の石垣を競争で上ってみたりしてました。いま思うと危ない行為ですが携帯ゲーム機よりも面白かった。いまの子供らは危険な遊びのおもしろさを知らないまま過ごしているから、絶対にやらないのです。

オリンピックが近づいて来たので映像を見る機会が増えました。スキーの女子モーグルをみると、どうも外国人選手に勝てないのは大人が先回りして制約のなかで遊ばせているからではないかと勘ぐってしまいます。

男子スノーボードのショーンホワイトみたいなネジが外れた子は、いまの日本のシステムのなかでは生まれないでしょう。モーグル女子もアメリカカナダあたりの選手が強いのはスキーを滑るときに制約がないからで、日本が勝ちにくいのは最初にスキー教室があって基礎スキーがあるからじゃないかと。コースの中だけで遊んでる子はコースの外で遊んでいる子には勝てないんじゃないかな。

日本人は採点型の規定でちゃんとやると点がもらえる競技は強いと思います。表現力の点数化されたものはいまひとつ勝てません。あとあんまり勝てないのはスノーボードクロスのような雑な競争。競技の性質と国民性の関係は強くて、人を押しのけたりするのはあんまり強くないんでしょう。

それに大自然がでかすぎるカナダみたいな国と、こぢんまりとした山で滑っていたのでは滑り方もおのずと違います。

魔界転生(2003年)(プレビュー) – YouTube
竹田城で撮影したそうな。

魔界転生(1981年)(プレビュー) – YouTube
大人になってから角川映画をみるとすごい怖いときがあります。あのワンカット取るのに一体いくらつぎ込んでいるのやら。

てっぺんに窪塚かジュリーがいればいいのに。

図説 茨城の城郭