低倍率単眼鏡のススメ

オークションに観光地でよく見る大型双眼鏡が出ててちょっと欲しい。100円入れて1分見られるあのデカイやつ。家に置いといて誰かきたら100円玉を入れるかもしれない。

オーバーホールがまた面倒ですし、以前使っていた大型も年中使ったかというとたまの天文ショーのときくらいで普段は軽いコンパクトな単眼鏡が便利だとわかり大型化の欲求はそれほどありません。そうはいいつつ、例の行方不明のマレーシア航空ボーイング777型機を探す中国海洋当局の使っているカセグレン式の大型単眼鏡をみたら欲しくなりました。船に取り付けるタイプなので民家ではもてあますことは分かっていますがハッタリでも持っていたらなにかに使うかもしれません。さすがに対物径が200ミリとなると向こうからこっちが見ていることに気がつかれますので偽装が必要でしょう。

近所の池にあつまるカワセミの観察など楽しそうですが行ってみれば天体望遠鏡を地上に向けただけで倍率が高すぎて見える範囲が狭すぎて鳥が画面いっぱいになりそうです。そもそも移動するのも大変で、ちっこいポケットにはいる7倍くらいのダハプリズムの単眼鏡が便利だと気がつきます。

何台か持っています。以前つかっていたカートンのZ式の単眼鏡はカメラ三脚に取り付ける穴が開いていましたがいま手元に残っているモデルはどれもダハの単純な筒型なので固定する方法がありません。そのうちマウントを作ろうと思うたびにやめてしまいます。木を彫り込んで半丸の受けをつくって金属バンドで固定して、ナットを埋め込めば簡単に作れますがいざできるとなるとやらないものです。単眼鏡に限らず望遠鏡は三脚で固定してつかうと倍率と関係なく観察は楽になります。

一般的には知られていませんが、手でもって使う最大の倍率はせいぜい8倍が上限です。ときたま20倍などの高倍率のモデルがありますが、実用の点でいえばあまり使い勝手はよくありません。視野が狭い上にレンズが暗い。同様にズームタイプもよくありません。ズーム用の浮遊レンズが鏡筒内に増えますから重くなります。そもそも販売価格の上限がせいぜい2万円程度の単眼鏡のなかにズーム機能を埋め込むとレンズは安価なものになりますから単純に性能が落ちます。またコーティングもそう高価なものは使えず余計なレンズが増えた分できあがる視野は暗いものになってしまいます。これは双眼鏡でも同じです。