軸を持って操作

グライドカムの開発者ギャレット・ブラウン(Garrett Brown)氏の解説付きの動画をみました。Youtubeの、たぶん機材付録の動画なのかなあ。

インタビューの前には「ステディカム・パイロット」と紹介されています。操縦者と呼ばれるくらい扱いが大変。

【自作をテスト】
新しく作った自作安定装置をテストしてみました。以前よりは安定していますが、軸があらぬ方向に向きます。これは、軸をもっときつくするかそれともボールベアリング入りの軸受を撤去して抵抗を付けようかと考えていた矢先動画を見ると・・・・・

ブラウン師匠、「軸」もってるよ!軸もっていいのか!

【軸を持って制動】
何のことない、カメラの姿勢を安定させるために軸持つのね。てっきりフリーだけで勝負するのだと勘違いしてました。

きっとジンバルでフリーに動く状況を作って、その上で指を使って重心を取ったり制御したりするんだな。だから ジンバル=重心の理屈なんだな。気がつくの遅い俺。

「慣性の法則」を使ってカメラ自体を安定する理屈は分かってましたが、その方法として軸をつかんでいることを見落としてました。

ブラウン師匠は32ミリあたりの映画用フィルムカメラでこれを実現。カメラ自体が重いから安定もするでしょうね。ただ、カウンターウエイトを入れた途端、相撲好きの小学生と同じくらいの重量になります。

もう片手で持てやしませんからベストを着込んでアームを付けたのでしょう。アーム付ベストを「スムースシューター」と言います。本家本元の初代フィルムカメラ用は普通じゃもてない重さですからね。

【使い方】
指で重心周辺の軸を触れて制動するのでしょう。右が「利き手」の場合は以下。
「左手でジンバルを持って右手の指でパン。行きすぎないように制動する。」

理屈も構造も意外に単純です。何にせよ軸を手で持つとなれば、カメラ安定装置の作り方をかえなければなりません。いままでは見た目を真似するだけでしたが、制動するならそのための「都合の良い形」が出てきます。これを実装するにはどうしたらよいのでしょう。

【どうして手ブレをするのかな】
普段ビデオカメラを持たない人が撮影すると、手ブレで見られたものではありません。誰かの家で未編集ビデオを無理矢理見せられる、そんな経験はありませんか?

内容が上司の「子供の運動会」でも手ブレなければ見られます。でもどういう訳か三脚は使わない、何故か編集しない、画面が決まらないの3無い運動。そして極めつけはディレクター自身が思い入れたっぷりに撮影するので、「地獄の黙示録」並の長編となります。
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202 分って3時間以上とは。

【手ブラでスキー】
手ブレはカメラマンの振動に起因します。今も昔も日本国内向けのカメラはハンドヘルドの片手持ち型がほとんど。一方80年代北米は、ホームビデオですら肩に乗せていました。いまも中東はなぜか肩のせカメラが多くあるように感じます。なりがでかいと作るのが簡単なんでしょうか。そのおかげか、日本のホームビデオより海外の古いビデオの方がブレのない映像が多いように感じます。

一方、日本国内はもっぱらハンドヘルドの片手持ちビデオカメラが大好き。ハンドヘルドは最初から持ち手とカメラの重心とずれます。そもそも本体横のマジックテープで手を固定したってダメですよ。もしかすると一番ぶれる持ち方ではあるまいか。

ここにサイドフリップ式の、横に展開する重量たっぷりの大型液晶画面がつきます。もうバランスを崩してといわんばかり。もしかしたら手振れ補正機能を売るための方策か。だったら大したもんだ(笑)

【安定した絵を取るには】
運動会の会場に人がのれるクレーンとドリーのレールを敷設して、カメラを三脚に固定すれば・・・って訳にはいきません。そんな運動会は芸能人大運動会ぐらい。そこで「自作カメラ安定装置」を使いましょう。もしくはセンサー内蔵のHDカメラを最初に買って。ちなみに外付けの「自作カメラ安定装置」はこう使う。

【グライドカム型の使い方】
昨日のエントリーにあるグライドカム風の自作安定装置を例に説明します。

coza4 diary » Blog Archive » 真似してみた

写真ではまだ片手で使おうとしています。これは失敗の元。使う前にカメラを安定装置に装着します。ここで、ネジを調節してジンバルの重心にベアリングが来るように調節します。精密にジンバル位置に重心があると回転してしまうので、いまは重心の1センチ上に軸受けが来るように調節してあります。あとはトライアンドエラー。使ってみてからの調整です。

重心がとれた状態で、左手(利き手ではない方の手)でジンバルをつかみます。これはビデオカメラ重量を受けとることが仕事。沢山関節がある手は、ちょっと動かすといろんな要素が働き持っているものに影響を与えてしまいます。この傾きやら影響を、三次元で自在に動くの「ジンバル」に打ち消してもらうのが安定装置の最初の仕事となります。

手・・・ジンバル・・・カメラと、手とカメラのあいだにジンバルが介在し、手から不規則な力がかからなくなり、カメラの画角が傾かず安定するのです。

補足すると、人間の目が追える反意では揺れています。

ブレア・ウィッチ・プロジェクト

揺れすぎて酔います。酔うのが分かっているので、いまだにちゃんと見てませんわ。

人の目は不思議なもので、水平面が上下に揺れていてもそれほど酔いません。そのくせ光軸を中心として画面が観点することに非常に弱い。私だけかも知れないけど。

車酔いするのもカーブで横に振られるから。横揺れで酔うのであって、直線の上下動だけではそうは酔わないでしょう。「宇宙酔い」の実験でも半球に画像を写して回転させていたような記憶があります。

宇宙酔い – Wikipedia
白髪で天パーな学生の時々日記  俺とJAXAと時々研修

グライドカムとスマイル

次ぎ。この安定した状態で指先を使って姿勢を制御する。うちではジンバルの直上に1センチほどの紙テープをまきました。セロテープで止めてます。指先をおきまして、ビデオカメラと安定装置の姿勢が崩れないようにします。これにて手から伝わる不用意な振動が消え、レンズを向けたい方向に水平パンができ、レンズ光軸を中心とした回転が、画面の中から無くなります。

これにて完了でしょう。

マーリンタイプでは「指」制御が使えません。だから軸に傾きをつけて回転しすぎないようにしているのかなと推測しています。自転車のフォークみたいな構造を想像。

写真では見ますけど、未だに軸の構造が謎。でも、JRのころから構造は変わらないらしい。もしかすると「横回転」のベアリングがそもそも存在しないのかも。

横回転のベアリングがなければ、グリップを向けた方向にカメラが向きます。確かに、これで十分なような気もします。そんな作例もあったよ。

思いっきりボールベアリングで回してしまえまるは、グライドカム型の指制御が前提だからでマーリンには難しいかもね。

写楽ブログ ひさしぶりのステディカム (STEADICAM JR. )

ステディカム – Wikipedia