ベネズエラのこどもはどうして柔道をはじめるのか

ベネズエラの柔道選手は日本に来てがっかりしているのではないかと心配になる今日このごろ。

サム、柔道の少年。日本語タイトルは「紅三四郎」

Sam, el rey del judo – Wikipedia, la enciclopedia libre
ハブステアリングらしいオートバイで隻眼の格闘家と世界各地で闘うという設定。初期のタツノコプロの絵なので劇画風で怖い。実写からアニメの絵を起こす「ロトスコープ」で格闘シーンを描いているので人間の等身や動きが滑らかです。
シリーズ【昭和の無茶】その6・面影 – ぼくたちと駐在さんの700日戦争

ヒューゴ、柔道の少年。日本語タイトルは「いなかっぺ大将」

Hugo, el rey del yudo – Doblaje Wiki
ひとつひとより力持ちの大ちゃん。

フランス人が柔道好きなのを知っていましたが、スペイン語圏でも柔道が盛んなのは紅三四郎の影響かもしれません。柔道が盛んだから輸入したのかも。

そして日本はYAWARAの時代

日本の柔道アニメと柔道マンガがいつのまにか女子柔道のYAWARAになってしまって、子供の頃日本の柔道は「紅三四郎」だと思って柔道を始めたベネズエラの選手は、日本に好敵手がいなくなってしまってがっかりしていると思います。

そうはいっても、いまの子供が吉田竜夫時代のタツノコプロのあの独特の絵を見るとは思えません。これではどちらかが譲歩しないかぎり柔道アニメの相互理解が得られないままです。私だってガッチャマンで育ってきたひとりですからあの絵は大丈夫なのですが、いま「紅三四郎」までさかのぼって見るかと言われると快諾はできません。子供のときに再放送すらしていなかったのではないかなと。

チャンバラごっこをするときに昔はジュラルミンの模造刀があって、その時代の話だとおもいます。私のときはもうプラスチックの刀になっていました。戦後日本の荒っぽい60年代テイストにあこがれてきた人からみると、いまの日本は出し殻にみえるかもしれません。ベネズエラってチャベス大統領がこないだまでいた国ですから、たぶん1960年の日本人とは話が合いそうです。

フランス人はYAWARAを理解しているので安心です。
浦沢直樹パリで神格化!? 漫画界の巨匠にフランス人熱視線!Naoki Urasawa in Paris – YouTube

スペイン語圏はいまだに紅三四郎だろうと心配しておりましたが
Cinturó Negre 01 – 1/2 – YouTube
YAWARAも吹替え済みでした。スペインバルセロナオリンピックに出る設定なのでなじみがあるのです。

https://www.youtube.com/watch?v=jUf3UPBnkmg
紅三四郎でささくれだった心を癒す動画