ミザール単眼鏡SD-70の手入れ

単眼鏡のメンテナンスをしました。曇っているので、レンズを外して手の届くところを掃除します。

単眼鏡の掃除
単眼鏡を分解してレンズの曇りを取ります

ミザールの単眼鏡を分解掃除します。

スナップリング外しのカメラプライヤーで主鏡を外します。

極小マイナスドライバーで接眼レンズのユニットを固定しているイモネジを外します。

たしかオークションでなにかとセットで付いてきた単眼鏡です。レンズの曇りが気になる。ほかの単眼鏡と比べてフィルター1枚かかったようなくらい像になります。

主鏡から中をみたら、接眼レンズが曇っています。汚れか。ギャラリースコープで至近距離が見えるように筒が伸びるタイプなので、伸び縮みの動作で外の空気を吸って中で湿気を生んだのかもしれません。

分解していきます。接眼部のゴム見口を外し、イモネジを取ります。レンズは3枚1群のユニットでした。ジュラコンの筒のなかに収まっています。イモネジだけでくっついているので、ネジを外して樹脂の筒のフチをドライバーなどで丁寧に押すと外れます。

主鏡は小型のスナップリング外しで取ります。主鏡側はきれい。接眼のレンズ群が少々汚れています。

富士フイルムのクリーニングペーパーで汚れを落していきますが、こびりついた汚れが取れない。ついでに主鏡も一見きれいに見えたけれどコーティングのキズがおおい。さらに内部の遮光板にサビ。接眼レンズの合わせ部分に水泡。なんでしょう、B品にしてもヒドイ。前の持ち主が、もしかするとと水没か雨の日に屋外で濡らしたのかもしれない。

本来の性能を取戻すため手を加えます。

接眼レンズのユニットを収める部品がコストカットでグレーでしたから、黒のつや消しを塗る。内側の反射が収まりシャープな像を結ぶはず。

レンズの側面に黒を塗ります。習字の墨が最善ですが、水没してるなら気を使わずともよかろうとマジックで塗りつけます。

ひどいことに内部の遮光リングも錆びていたので、ここもマジックで塗ります。

最後に逆の順番で組立てます。双眼鏡では光軸合わせが難しく、天体望遠鏡は主鏡の構造が複雑で素人には修理できませんが、主鏡が1枚のダハプリズム式の単眼鏡ですから組立てれば完成です。ただ、自信が無い方はメーカーに調整してもらって下さい。プリズム部分は接着材で固定されています。わずかに曇りはありますがそこは掃除できません。プリズムの中がカビるとアウトですが、少々曇っているくらいなら実用上気が付かないと思います。

天体望遠鏡などの光学製品|株式会社ミザールテック

対物径がちいさいので、光量がすくない夜は不利ですけれど、クリーニングで前よりは良く見えるようになりました。遠くに見える屋根瓦の角がしっかりと立っています。