ハサミの研ぎ方

100円ショップのハサミを研ぎました。

たしか、実家で使っていたのがあんまりひどかったので新しいのを持っていって、そのとき引き上げてきた安いハサミです。デザイン自体は見たことのある形なので、スーパー向けに量産したい燕三条あたりの製品を、国内メーカーが中国で安く作らせてた製品です。

まず、刃を研ぎます。このとき刃の合わさる裏側を削らないこと。かならず刃の付いている面のみ研ぐこと。

砥石を使って刃の角度に合わせて研ぐのですが、砥石を置いて研ぐのが案外難しい。ハサミが大きく開脚できるモデルなら石を下に研げるのですが、このハサミは直角にしか開きません。そこで刃を開いたハサミを手で固定して、もう片方の手で掴んだ砥石を滑らせることにします。刃の当たり具合を見ながら何度か往復させると、焼きの入っていない鋼材ですから簡単に刃が付きます。

刃物を研いだあとは延びた金属を削るための裏研ぎをしますが、ハサミなのでしません。両方の刃を研いで、閉じる動作で裏研ぎとします。

ハサミの軸が緩んでいたので、トンカチで叩くことにします。普通のハサミなら作業場で鉄板の上で叩けば一発なのですが、このハサミは樹脂ベースなので軸の周りを樹脂で覆っています。そこで樹脂の隙間に鉄片を入れて上からポンチで叩きます。

叩いたことで刃が密着し切れ味が良くなりました。

ハサミを研ぐときに絶対にやってはいけないのは、擦れあう面を研ぐことなのでこの点充分ご注意下さい。

研いだあと軸の近くに注油します。今回は丁寧に水気をぬぐって暫く乾燥させたあと、キッチンばさみなのでサラダ油でも塗ります。サラダ油の缶から垂れた程度の油分を、刃と刃のすれる場所に塗れば新品の切れ味が戻るはずです。


砥石はいろいろありますが、中砥だけで平気。

中砥、仕上げ砥のコンビタイプもありますが、仕上げはほとんど使いません。