マーリンの調整方法

マーリンの調整方法

OSMOを筆頭に電動ジンバルに押されて影の薄いステディカムマーリン。もう電動で十分と思っていらっしゃるかもしれません。

なぜいまごろマーリンの話をするのか。それは私がようやく説明できるようになったから。

オフ会などで直接説明できると簡単なのですが、ネット上で分かるように説明すると以下のようになります。ほかにも説明すべき要素があるのですが、混乱しないように必要なことだけ説明します。

カメラの重心を見つけること。マーリンなら説明書通りにプレートを使うことが大切です。カメラの下にボールペンや鉛筆などを置いて、縦横の位置からおよその重心を見つけます。一眼レフはバッテリーとレンズが極端に重いため、重心の位置が見つけにくく、見た目やカン、ネジの位置で適当にプレートをつけるのは御法度です。

必ずカメラ自体の総合的な重心をみつけてください。カメラの重心を決めるだけで調整の半分が済み、難易度は3割引になります。

では早速カメラをスタビライザーに載せてみましょう。

オモリとカメラの並べ方
オモリとカメラの並べ方

カメラとオモリは同一平面上に載せることが重要です。

なぜ同一平面上に置くかと言えば、左右の心配をなくして二次元で調整するためです。上記図のように配置できると、ようやくスタートラインに立ったことになります。

コツ

カメラの重心の下にジンバルが来るよう配置します。(図A)

上下に低い状態(図A-1)で調整して、使うとき上下を高くします。(図A-2)

図B,Cのようにカメラ位置を下げる方法もありますが上級者用です。最初に試みるととても難しい。

調整方法
調整方法

実際に図Aの位置関係で調整するとどうなるのでしょう。

ダイナミックバランスは動的均衡です。動的なバランスをみるためには調整に「動き」が必要となります。マーリンの場合、ちいさな揺れが「動き」にあたります。振り子の復元までが1秒以下の長い周期で揺れるように設置します。ぶんぶん揺れてはダメ。

図A-1の状態で調整をはじめます。

      ピッチング、前後のうなづく揺れ
      側転のようなロール
      クビを左右に振るようなヨー(パノラマ)回転

三種類の揺れを確かめます。正しく揺れ戻れば設定完了です。揺れが戻るとき、レンズが違う方向を向いてはいけません。戻ってこないのも不合格です。

必ずピッチ、ロール、ヨーの3方向とも真っ直ぐ戻るように。

この真っ直ぐ戻るが難しく、最初は1日やってもできないことがあります。こればかりは実地でやって出来るようにするしか方法はありません。

使用時に図A-2の状態にして、カメラを3から4にします。マーリンは開きを変えると、開きだけではなくカメラの前後位置も同時に調整が必要になる点が面倒です。

元に戻るように揺れを調整するコツは、揺れの戻りが遅い方が重いので軽くすること。重い方を軽く、早い方を重くすることで全体を調整してゆきます。

2012年に撮影した私の動画。DIYのマーリンスタイルで調整に苦労しています。オモリを左右に振れるようにしてます。前半は左右の調整と高さの調整に費やされます。後半は前に沈むことを嫌ってレンズを水平にするためカメラを後ろに下げています。マーリンですと左右の調整はカメラ位置だけで合わせることになります。

まとめ
  • カメラの重心を見つける
  • カメラとオモリを同一平面上に
  • 動的に揺らして調整する
  • 揺れは共に戻るように調整する
  • 元に戻る調整は実地にやってみるしかない

Steadicam Merlin Setup ステディカム マーリン セットアップ – YouTube