釣り師はせっかちか

釣り師の、のんびり糸を垂れる姿から気が長いと思われている。本当だろうか。

身近の釣り師に聞いたところ、全員気が短いという。私も釣りを良くしていたけれど、一般的な同世代よりかなり気が短い思う。気が短いというのは、ちょっとしたことで怒るとか、年中喧嘩腰であるとかそういうことではなくて、ぼんやりしないのだ。

魚がエサを食べる姿を想像して、あのへんにいるのかな、いま食べたかな、いやまだかな、ちいさい魚が邪魔だなあ、よし、エサがなくなったぞ、次はすこし大きめにして堅いところを使おう、いや、バラケるエサを混ぜて魚を沢山寄せよう、ああ、鳥が飛んでいる、川に何か流れていくぞ、風は穏やかだなあ、おや向こうの人は釣れたぞ。

なんて1分の間にいろいろ考えているのである。だから、頭は常に回転しており、せっかちなのだ。

魚の姿を想像せず、浮きの当たりがどんな理由か考えもしないおおらかな好人物は手を出さない趣味なのだ。

頭の中を回転させているから、大自然と対峙できる。