古書店主の一日

古書・青葉屋日記というからには、古本の話でもしましょう。ここで本の話をするのは初めてですね。

古書店運営のリスクについてお話しましょう。正直、リスクはすくないです。本自体は本の魅力で売れますから、あまり営業努力はしません。目立ったリスクといえば、売れない本を抱えて在庫に埋もれることくらいでしょうか。地震のたびに蔵書が崩れやしないか心配する同業者もくすなくありません。身の危険、という意味では、リスクですね。

「儲からない」こともリスクではあります。原価率もそうよくありません。しかし一方で、まったく儲からないわけでもないという不思議な職業です。

当然、職安ことハローワークにいっても古書店主の求人はありません。

僕はなぜ古本屋になったのかというと、仕方なしになったのであって、好き好んでなったわけではありません、いや、今となっては好き好んで運用してはいますけれど、過去においては就職活動もしました。ちゃんと背広を着る仕事につこうと思っておりました。

でも、途中で気がついたんですね。人間には向き不向きがあると。僕は背広を着て、テニスで日に焼けた笑顔で商談、なんてことはできないのです。そうゆうのは松岡修造みたいに納涼スーツを着た人がすればよろしいのであって、僕のようなややマニアな人は、社会でうまく立ちまわるだけで疲れてしまいます。挨拶もきちんとしないし、人見知りだし、思考のどこかに反社会的要素が眠ってますので、あまり健全な活動には向いていない性質なのです。

社会的に優秀な人は、キチンと勉強ができます。それは、弁居の中にあるルールを守るからです。僕は社会のルールも弁居のルールもあまり守らないので、優秀ではありません。本人はルールを守ってはいるつもりですが、社会が見とめてくれるほどキチンとは守ってはいません。だから、社会の人にはなりにくいのです。

古書店の実際
今日は久しぶりに間違えた本を送ってしまい、再発送する羽目になりました。ちょっと前なら郵便を利用してたので高くついてしまいましたが、最近はメール便を利用しているので、負担は少なくなりました。

とはいっても、間違った場合の発送料は僕の負担ですから、本によってはこれで利益がなくなってしまう場合があります。夏の暑さでよく考えずに送ってしまったのと、やや、思い入れのない分野の本だったので、気を抜いてしまったのが誤配の原因でしょう。

再発送の準備をし、発送、お客さんに電話したのは初めてでした。留守電だけど。

こんなときは、送ってしまった本は回収するとまた足がでるので、そのまま受け取ってもらいます。あまりに分野違いの本だと・・たとえば、スヌーピーの本と間違えてキティの本を送ったのなら、そのままにしますが、ミキティ写真集と「原子力安全の歴史」を誤配したら、これは返送してもらうほうが自然でしょうね。

探すのが大変であること。これは管理番号を利用するようになりましたので、大分楽になりました。管理番号のを付けていない古い在庫が4割程度になったので、このまま順調に売れて行くと、すべて管理番号で探せるようになって便利です。