ネコとイタチ

橋が封鎖されるほどの事故がありました。封鎖された時刻に近くを通ったのですが、行きも帰りもその橋は渡らず、ひとつ下の橋を通ったため渋滞や迂回に付き合わずに済みました。現場の写真をみたら正面衝突かオカマか分らないほどに2台の車が絡んでいます。追突された軽自動車の壊れ方をみると、もう一台前に重い車が居てサンドイッチに挟まれたような壊れ方をしていました。ぶつけた方は当初ダイハツの3気筒かと見当を付けたのですが、単に鼻先が潰れてそう見えただけであらためてみるとトヨタ独特の傾斜したAピラーで、ハイブリットのあれかもしれません。

とりあえずどんなものかと橋を見に行きます。それほどヒマだったのです。

支流を経由して神社を越えて資材置き場の横をすぎると、道路から一段下がった田んぼの用水路に黒白模様のネコが一匹おりました。いつもは逃げる距離なのに今日は逃げません。私はネコに近づくことができないので、ずいぶんひとなつっこいネコだなと思いました。私から小動物に対する殺気が消えたのかわかりませんが、カメラを出して近づいてもその場から動こうとしません。

不思議に思ってふと後ろを振り向くと、用水路から茶色のイタチが飛び上がってきました。

ネコは私など眼中にはなく、最初からイタチを追いかけていたのです。

田んぼから1メートルほど路肩の上にある道路をイタチ軽やかに渡り、いつも通っているらしい生け垣の隙間を使い逃げてゆきました。しばらくするとネコはイタチが潜んでいた地面のニオイを嗅ぎ始めました。野生のイタチのほうが、どこかの飼い猫より一枚上手です。あれではネコには捕まえられないでしょう。

ネコとイタチの体長は同じくらい。はてイタチをネコが捕まえたとして、無傷で勝てるのでしょうか。イタチのほうが俊敏ですしニオイ攻撃があります。

カメラを握っていたのにイタチの写真が撮れませんでした。顔だけ振り向けて体を残していましたから視線とカメラのレンズが違う向きにありました。カメラに関してはまだ向きを同じくする癖が付ききっていません。一眼ならまだレンズ向きを割と気にしておりますが、自転車移動用に使うレンズが飛び出ないコンデジでしたので気が抜けていました。

橋に行くと、どうもペンキを塗り直したらしく事故の痕跡はありません。

しげしげと橋の欄干を観察するといたるところに車が衝突した跡があり、一体どれだけの車が橋の欄干にぶつかったのか分らないほどです。もういい加減古い橋です。誰の目にも橋ごとかけ直すべきと映るのですが川沿いを整備してかさ上げが済んでいます。堤防の土が落ち着いたらもう何年後かわかりませんが掛け替えるはずです。それまではたとえ欄干が壊れようとも古い橋を使うのでしょう。実際ひとつ上の橋は欄干の手すりが無くなっても無理槍つかっいました。

新しい橋がかかるまでこの古い橋が壊れないことを願います。