爪ナットの打ち込み方

カメラスタビライザーの軸と下板を繋ぐ部品を改修しました。

これまで
コンパネにボルトを予め立てておき、軸の下端を取り付けていました。この方法ですと分解したときにナットを落とす可能性があります。また、カバンに入れたとき剥き出しのボルトが他の部品を傷つけるので緩衝材を余分に容易せねばなりませんでした。

改修
下板のコンパネに、爪ナットを打ち込むことにしました。これまでと逆の構造です。ナットと板の位置が逆になります。抜け止めのナットを付けて軸側の取り付け穴からボルトが落ちないようにしました。

結果、分解したときに軸とボルトが分離しません。また分解したあとの下板上面が平らになりカバンへの収まりが良くなりました。

作業内容はふたつ。ひとつめは爪ナットの埋め込みです。爪ナットが板から出張らないように爪ナットの底板分だけ板を浅く円く彫り込みます。M6用の爪ナットは底部の厚みが1ミリほどで直径が20ミリほどあります。イッパツで掘ろうと大きめのドリルで試しに削ってみたところ、太いドリルというものは先端が平らではなく円のフチばかりが先に削れてしまいます。

穴の底は平らにしたかったので11ミリと爪ナットより少々細めのドリルと交換。20ミリの円に収まるように花びら様に4つの小さな穴を浅く掘ります。深さは1.0ミリほどでしょうか。合板なので掘り進むと板の木目が変わるのでおよその目安になります。

卓上旋盤のレバーをおろしたまま、加工台の上で板をゆっくり動かし穴の底穴の底面を均します。最後に底板の厚みより穴が深いどうか確かめます。

もうひとつの作業は爪ナットのメスネジ部分の筒が通るように7ミリほどの穴をあけます。手持ちの7のドリルが無かったので6.5ミリの穴をあけたのち木工の棒ヤスリで加工しました。

作業台の鉄板の上に板を置いて、掘った穴に爪ナットをあてがいます。爪ナットの上に板を置いてトンカチで板たたき、真っ直ぐ打ち込んでゆきます。最後は板を外して直接トンカチで爪ナットを叩いて板の中に打ち込みました。爪が板にかみつく構造なので接着材は不要です。

分割式にして部品が落ちないように構造で工夫しました。おりたたたみ方式でも良かったのですが、余計なたたむ機能を付けると軸や軸受け、ロック機能が必要となり重くなります。分解脱着式のほうが構造は単純で強度も高くなにより軽くつくることができます。