カメラは重くすれば良い

日本製のカメラ安定防振装置をなんとなく眺めていると、皆さんマジメなのか軽く作ろうとしてらっしゃいます。

あれ、逆だと思うんだ。

重いカメラをつくって、ニュートンの第二法則を当てはめればよい。
運動の第2法則 – Wikipedia

海外映像の作例を見ると、業務用のハイビジョンカメラを使ってまして、あれを使うならもうだって本体重量が最低でも数キロ。それだけ重いなら、普通に使っても携帯動画よりもきれいで安定して取れるわけです。

双眼鏡は仕事で使う人も少ないし喩えに使うには一般的ではありませんが上記と同じ理由で、大きな双眼鏡が手持ちでもぶれません。それは自重が重いから。ダハプリズムの小さいモデルよりツアイス式(Z式)の方が揺れにくい。それはプリズムが大振りでボデーが重いので、安定するわけです。小さい双眼鏡を安定させるには重いものと一緒に持てば良くてカバンとかその辺にあるものをつかんで握ります。

日本人は割りとでかいものは避けます。スモールいずビューティフルドリーマー。車でもカメラでもすべて小さいものを作りたがります。一眼レフなんて中身は電子基板ですから、外装なんてお風呂に浮かべるアヒルのおもちゃでも良いはず。それがあの形になっているのはひとつはアフォーダンスで、あの形に意味があると思っているから。

アフォーダンス – Wikipedia
アヒルのくちばしにレンズがあって、アヒルの右目がファインダーになってたら使いにくいでしょ。もうひとつの理由は重量だと思うんです。作ろうと思えばほんとは卵ぐらい100グラム程度になるはず。それなのにバッテリーを外部化しないであの形にするのは自重を稼ぎたいからかと勘ぐっております。

【重ければいいだろう】
雑な私にしてみれば、例の10ドルステデーカムを折りたたみにして、ウエイトを水にしてしたら良かろうと考えています。本体重量は水で稼ごうと。水を捨てれば軽くなり、このタイプなら走っても平気です。軸受けのことは考えない。ああ、きっと走って使うことを前提に考えているから、マーリンのあのタイプは手が出ないのかも。走りの映像に必要なのは、重たいカメラです。アームと固定するベストがあればなお良い。

手持ちで発生するブレは、複雑な機能を持った人間の腕と手の構造に由来します。これをキャンセルするには相当な訓練が必要で、ガーマルチョバか中村裕治師匠に弟子入りしないといけません。

それができないなら、オモリをいれてカメラ重量をおもくて、手っ取り早く映像を取ればいいと思います。

家に買い込んだ各種軸受と材木と水道管を横目で見つつ。