手首の関節とユニバーサルジョイント

工具のユニバーサルジョイント。
国内でもこちらを利用したカメラ安定装置の作例(自作ステディカム)がいくつか見られます。

もともとこの製品は、狭い場所のナットを回すためのもの。角度変換はしますが軸は回りません。それでこのジョイントを使った上にベアリングを入れて3軸回転するように作ると、マリンタイプが出来るのです。

しかし、工具用で重い。よく使われるのがラジコン用のユニバーサルジョイント。ほとんどが樹脂製のため、今度は強度が足りなくなります。

旋盤を持っている人が真鍮で削ると理想の形になるのですが、はて、そこまでする必要があるのか。

先日近所の公園で撮影テストをしました。

例の蝶番を使うモデル。私が使う分には問題ないのですが、初めて使う人に渡すと操作ができませんでした。カメラにはある程度精通してる人ですら3軸フリーのモデルは扱いかねます。

自分で撮影した映像を確かめました。ベアリングを入れた横に首を振りやすくベアリングが要らないのかも知れない。何でもかんでも自由に動きすぎるのも良くありません。

こうなると、ボールジョイントくらいの自由度で十分な気もします。それ以前に、現実問題ベアリングを排除しても良さそうです。

いわゆる、ハンドルの中心にカメラマウントを据えたもの、10ドルステディカムのような丁字型でオモリを積んだもの。これらで充分機能すると思います。

カメラと安定装置の自重を増やせば、補助アームなど入れずに上下動を押さえられますし、走って撮影できます。実際自転車を走って追っかけても丁字型のモデルなら画像は安定します。一方、マーリンタイプでは走り映像は難しいでしょう。

そもそも、横の回転撮影や首振りの制動をベアリングを入れた後に悩むくらいなら最初から入れなければいい訳で、それなら木のボールをナイロンの手袋で掴んでみるとかそのくらいの工夫で充分見るに堪える映像が取れると思うのですがいかがでしょうか。

ステディカムやグライドカムなどの原理は人間の手が持つ関節の限界をカメラに伝えないことです。振動の原因を排除して且つ向けたい方向にレンズを向けるにはベアリングだけでは解決しないのではないかと踏んで居ます。

こちらは実証する方向で考えています。

以下、ネットで見つけた作例。アームを畳めると便利。
自作ステディカム posted by (C)PCM

My Pro.-Looking DIY SteadiCam – DVXuser.com — The online community for filmmaking
お腹に刺さりそう。


前にもあった「入」型のパイプ組み合わせ。
上下動が大きいのはカメラ本体が軽すぎるからで、自重を増やせば解決する。
握りの重心が高すぎるので、握りからカメラまでの距離を倍にするともっと揺れなくなるだろう。