旅先で晩ごはんに悩んだこと

すこし前の話です。山の方でサイクリングをしてきました。住むには辛そうですがたまにいくには楽しい場所です。

昼どきに、三件のそば屋に振られました。一軒目は駐車場が満ちていたのでパス。二軒目は落ち着いた風情なのでココだ!と入るとギャラリー。看板は蕎麦屋のままなので間違えて迷い込みました。なんでも店主はもう蕎麦は打てないので代替わりして、今は素敵な喫茶店。喫茶店ならケーキがあるかと期待すれど、本日店主不在でやってなくて、落ち着いた色の焼き物を眺めるばかり。

三件目。さすがに三度目は大丈夫だろうと、道路側に旗がたなびき、駐車場にほどほど車が停まる蕎麦屋へ。そして準備中。

その日は蕎麦を食べられず。旅先で名物を食べなくても後悔しないので、たしかカレーを食べた記憶があります。時間がなくてケーキを食べそびれました。また食べに生きたいけれど遠すぎ。

そして夜。

老舗の古本屋へ。棚の前に本が積まれて人ひとり通るのがやっとの丁字路の途中にいたら常連さんがきました。パックマンよろしく私はいちど丁字路の右奥に一旦逃げて常連さんを店主がいる左側に流します。そしてふたたび所定の場所に戻ります。

戦前戦中戦後の山の本がたくさんあります。土地柄なのか美術館系の本も。あと売りそびれたのかガンダムのロマンアルバムも揃ってませんけれど並んでます。とても興味深い本屋です。

一旦出口に戻り左奥の空間をみると、積んである本と本の先に店があります。体を押し込むと、体の幅と同じ。お腹を擦りながらかろうじて入りました。そして山の写真集と戦前の画家の評伝と、手工芸の本などを手に入れて大満足。

荷物を置いて、食事とします。古本屋はどこでも気軽に入れるのですが、すこし遅い時間の繁華街に普段から全く馴染みがありません。どこの居酒屋も入りずらい。外から見るとひとり席もあるので、大人なのだから入ればいいのに気圧されて居酒屋はパス。デパートの上の方にあるチェーンの飲食店で定食を頼んで一息つきました。ココイチのカレーでも良かったのですけれど、出先で三食連続カレーは無理。

名物らしいものはたべず、サイクリングコースを愛でて遠くの山を眺めてペダルを漕いで美術館を往復した旅でした。扇状地の等高線を辿ると楽しいけれど、気が狂ったように見えるコース取りをしているので、他人は連れていけないし連れて行く気もサラサラなくて、マイペースで楽しみましたがひどく疲れた小旅行でした。