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サンドバッグ

ちいさな工作をしました。割高なアクリルペンキで100円で買ったコンクリートパネルの表面を染めるのは高く付くので100円ショップで黒い水性塗料を買ってきて塗ろうとおもいます。塗料はホームセンターのほうが安いかもしれない。

もうモノを買っても幸福感は買えなくて、ジャンクカメラはベツバラなのでまた買いましたけど、そして思うのです。モノの値段が二束三文で水か空気のようになると、価値が分らなくなります。値段の高低に関わらず欲しいモノが本当は欲しいモノなのですが、高くて買えない物にどれだけの価値があるのか疑っています。バブルの頃は雑誌には30万円の革靴とか平気で載っていましたが、べつにホームセンターのワゴンの靴でも歩けるわけで、特に手工芸の部分の価値の喪失がものすごい。

手仕事のありがたみがあり得ないのかもしれません。家を建ててるところで骨組みをみるとだいたいボルトオンです。強度も工作も工場の加工機で加工して現地で組み立てているだけなので、ありがたみは薄く、でもきっとあれはあれで強度が有るのでホゾ継ぎより長持ちするのでしょう。総工費数千万円のホゾ継ぎの入母屋と、ボルトオンの家の価値は昔ほど大きくないのかもしれません。昨日見た完成ドリームハウスのBGMが香取慎吾版の蘇る金狼でした。一体なにができたのやら。いま放送中のダイワハウスのCFは松田優作版の蘇る金狼のオマージュです。
▶ 蘇える金狼 – Dailymotion動画
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買い物を我慢しすぎると買うこと自体が面倒になり買わなくなります。買い物は惰性です。惰性なので1度とまると買うこともとまってしまいます。モノが売れないから通信販売なら売れるかというとこちらもひとつ問題があります。通信販売の場合、その場の勢いで無駄に買うことが少ない。

モノが溢れ始めたので、いろいろとありがたみに欠けます。

男子がある程度歳を取って、鉄道模型の精密なモデリングに走るのはきっと金で買えないものが欲しくなるからで、モノが欲しいというよりも作る行為が楽しいのです。だから作りにくいモノとか、妙に高いモノとか、壮大なモノを作り出すときは人生か買い物に飽きたときだと思うのです。買い物が楽しいうちは鉄道模型に限らず買う行為が楽しくて、物が揃うと飽きるので作る方に回ります。

物の価値はいまひとつ分りません。贈り物は値段のつくものを頂くとうれしいのはそのモノをもらってうれしいのか、モノについている付加価値が手に入ってうれしいのか。

デフレと不景気に馴れてしまい、安い物を妥協して使ってもさして困らないことに困ってしまいます。

先日月食の欠ける様子を撮影しました。月が影り月面の様子を確認するために望遠鏡を取り出します。8倍30ミリ対物のちいさな単眼鏡です。台は使わず枕にした布団の端を盛り上げて依託して観察しました。完璧な三脚よりもあり合わせで工夫で乗り切るほうが使用頻度は高くなります。たとえばリンゴの皮むき器よりも包丁でぱぱっと皮をむいた方が早いと思うのは専用機よりも使い慣れた汎用機のほうが有用に思うからで、リンゴの皮をむくという技術の発露が伴うので使う側の心を慰撫するのかもしれません。ゴルフクラブなんてボールの横に立って打つから打球が曲がるのであって、真っ直ぐ正確に打つにはいささか合理性に欠ける道具です。道具として不完全だからこそ人はゴルフ練習場に通うのです。道具を使える自分を作ることと、鉄道模型をフルスクラッチで作ることは遠いようで近い遊びなのかもしれません。

専用の単眼鏡架台より窓枠にサンドバックを載せて依託した方が断然使い勝手がよいことが分りました。

ebayを探すとライフルサンドバッグとかシューティングサンドバッグという名前で数千円で見つかります。砂袋に送料を払うのがばかばかしいですが、追加で砂が買えるので探せば砂抜きの革袋が見つかるかもしれません。

キャンバス地なら自分で作れそうです。市販品ですと、ブルースリーが使っていたというサンドバックを見つけました。

蘇える金狼 – YouTube
松田優作もバンバンサンドバッグを叩いています。勇作と比べると、松坂桃李も香取慎吾も平成の顔です。

こざ四:
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