凧が空に消える

誰かの凧が上昇気流に乗って見えなくなる
誰かの凧が上昇気流に乗って見えなくなる

散歩をしていると、住宅街に凧が揚がっていた。

国道の真横。JR常磐線のすぐ近く。こんな場所で一体誰がどこから上げているのだろうと糸をたどると、アパートのアンテナに糸巻きが引っかかってた。無人の凧揚げである。

どこかから飛ばされてここにたどり着いたようだ。絵柄は女の子向け。パステルカラーの三角カイトが冬の北東の風をはらんでいた。風向きが変わるうちに糸の末端がアンテナから外れたらしく、気が付くとヤケに高い場所に飛び立っていた。

15メートルのタコ糸に軽い糸巻きが付いたまま、うまいぐあいにつり合いがとれてトンビのように浮いている。冬の曇り空に特有の上昇気流にのって落ちる気配がない。写真に写すと点になる。その後も目で追いかけたが、10分もたたず雲に紛れて見失った。栃木県のほうに向って飛んで行ってしまった。

栃木の人、それ、茨城の凧です。見つけたら返して下さい。