中型免許で乗れるトラック

<中型自動車免許>取得条件緩和へ 運送業界の人手不足解消 (毎日新聞) – Yahoo!ニュース

私は2007年の法改正前に普通自動車免許を取っています。普通自動車と大型しかない時代の免許なので、中型免許が新設されたとき棚からぼた餅で中型をもらいました。
普通自動車 – Wikipedia

中型免許のお得感を全く実感せぬまま過ごしました。初めて自覚したのが、知りあいのトラックを見せられたとき。米軍の軍用トラックで運転で、中型で運転できるけど動かしてみる?っていわれました。佐川急便が使う後ろに箱が独立したトラックより大きくて、公道を何事もなく動かす自信がなくて丁重にお断りしました。

大きさとしてはマイクロバスも。動かせるけれど人を乗せると二種の旅客扱いになります。自衛隊でいうと73型中型トラック。まさかあのサイズも動かせるとは。自分の免許に驚いています。

いすゞのトラックでいうとこのクラスが乗れます。

運転したくない。

いまでも運転が苦手です。連休の今は特に運転しないようにしています。いちおうマニュアル免許なのですが、クラッチとかいう過去の古くさい遺物みたいな余計な部品が付いたモノは好かんのでのりません。

なんだクラッチ板って。もう21世紀よ。

運転手が足りなくなったから試験の条件を緩和するのってどこかで見たことがあります。何処で見たのかとおもって思い出したら、阿見町の予科練記念館。昔土浦の武器学校の中にあったときにはいりました。私がみたのは飛行士の人員構成リスト。正確にいうと、海軍の飛行士の人員構成の表です。最終的には特攻隊に若者が一万人もいたのですが、そんなに居ても飛行機が作れません。70年たってトラックの生産力は無限に近づき代わりに運転する人間が足りなくなっています。妙な感慨があります。

特攻は戦争で負けはじめたときにアメリカ空母の甲板を一時的に使えなくするために生み出された「禁じ手」から始まりました。その後、勝ち目がなくなって恒常的に体当たりが始まり少年飛行士のような飛ぶのがやっと未熟な搭乗員をうまくだまくらかして採用して最後は飛行機がなくなって地雷を抱えて上陸してきた敵戦車の下に潜り込む要員として動員されます。棒の先に爆薬をつけて海の中にもぐる伏竜みたいな捨身の体当たり作戦に回されたわけです。

トラックの運転手に関して言うと18歳人口が減れば運転手も減ります。インターネットを通した通信販売が普及してものの小口移動が増えました。荷物が増えたのに運転手は増えませんからひとりあたりの仕事量が増えます。荷物が増えても給料は急には上がりません。

人を募集してもすなおに増える時代では無くなりました。これまでは買い手市場でしたから従業員を安く使うことが出来ました。しかし、雇用の風向きが変わり売り手市場になれば人はきません。既存の兵力から人が減れば補充せねばなりませんが補充兵がそのまま使えるとはかぎらず、むしろ往々にしてひとり分に足りない働きとなります。

いちど物流倉庫の裏側をみてみればわかりますが、人間の扱いをしているようには思いません。そういう場所にも景気が悪ければ人は来ますが景気という風が変われば人はいなくなります。そして二度ともどっては来ません。近所にすき家ができました。新規開店なのに表から見える場所に捨てる予定の段ボールが積み上がっています。適時捨てるモノが捨てられないということは、食材についても同じ扱いをするだろうと想像してしまいます。従業員をコントロールする術を失った会社というのは軍隊ではなくて武装勢力のようなものです。昔の言葉でいうと烏合の衆といいます。