これは無理だろう

たまに求人広告を見ると

やる気のある方

を募集している。

ためしに、やる気のない方 募集  と検索してみると、やたらバンドメンバー募集の掲示板に行き当たる。ロックバンドのメンバー募集に応募してくる人は結構多いようだ。しかし、「やる気のない方」が相当数混ざる。

「メンバー募集。でも、やる気のない方は応募しないでください。」

という文脈で使われるようだ。「やる気」 という言葉は繊細だ。

真面目やる気のある方」と枕詞が着くと急に安心感が生まれる。
逆に、「年齢、前職不問、とにかくやる気のある方」と繋がると、ようはお前のところは誰でもいいんだなと、不安になる。時間外で朝礼をしていそう。たぶん体育会系。

ふと思う。やる気と縁遠い職業はなんだろう。

宇宙飛行士はやる気不問っぽいので募集を見てみた。PDFで読みにくかったので以下にコピーを記す。

http://iss.jaxa.jp/astro/select2008/pdf/bosyuyoko.pdf

4.応募条件

(1)日本国籍を有すること。
(2)大学(自然科学系※)卒業以上であること。
※)理学部、工学部、医学部、歯学部、薬学部、農学部等
(3)自然科学系分野における研究、設計、開発、製造、運用等に3年以上の実務経験(平成20年6月20日現在)を有すること。(なお、修士号取得者は1年、博士号取得者は3年の実務経験とみなします。)
(4)宇宙飛行士としての訓練活動、幅広い分野の宇宙飛行活動等に円滑かつ柔軟に対応できる能力(科学知識、技術等)を有すること。
(5)訓練時に必要な泳力(水着及び着衣で 75m: 25m x 3回 を泳げること。また、10分間立ち泳ぎが可能であること。)を有すること。
(6)国際的な宇宙飛行士チームの一員として訓練を行い、円滑な意思の疎通が図れる英語能力を有すること
(7)宇宙飛行士としての訓練活動、長期宇宙滞在等に適応することのできる以下の項目を含む医学的、心理学的特性を有すること。
①医学的特性
身長:158cm以上190cm以下
(注:宇宙服を着用して船外活動を行うには、約165cm以上が必要です。)
体重:50kg~95kg
血圧:最高血圧140mmHg以下かつ最低血圧90mmHg以下
視力:両眼とも矯正視力1.0以上
(注:裸眼視力の条件はありませんが屈折度等の基準があります。屈折度:+5.50~-5.50ジオプトリ以内、乱視度数:3.00ジオプトリまで、左右の屈折度の差:2.50ジオプトリまで。また、平成20年6月20日時点で、PRK手術・LASIK手術の後、1年間以上を経過して恒久的な副作用がない場合には医学基準を満足します。それぞれ医学検査時に評価します。)
色覚:正常
聴力:正常
②心理学的特性
協調性、適応性、情緒安定性、意志力等国際的なチームの一員として長期間の宇宙飛行士業務に従事できる心理学的特性を有すること。
(8)日本人の宇宙飛行士としてふさわしい教養等(美しい日本語、日本文化や国際社会・異文化等への造詣、自己の経験を活き活きと伝える豊かな表現力、人文科学分野の教養等)を有すること。
(9)10年以上宇宙航空研究開発機構に勤務が可能であり、かつ、長期間にわたり海外での勤務が可能であること。
(10)米国勤務当初に必要な国際免許の取得のため、日本の普通自動車免許を採用時までに取得可能なこと。
(11)所属機関(又は、それに代わる機関)の推薦が得られること。

メガネOK。そういわれても、適合する基準が国籍と身長と体重くらいしかない。

>>協調性、適応性、情緒安定性、意志力等
最初の一個目で駄目になる自信があるね。

私が募集に応じられないのは仕方ないとして、ちょっとこの条件、血の通ってないように見えませんか?

なぜにこんな四角四面の募集要項なのか。

選ぶ人が原因?ではなかろうか。

誰が選んでいるのかというと、JAXAのえらい人。JAXAってなんじゃろう?

宇宙航空研究開発機構 – Wikipedia
独立行政法人宇宙航空研究開発機構(どくりつぎょうせいほうじんうちゅうこうくうけんきゅうかいはつきこう、
Japan Aerospace eXploration Agency = JAXA(ジャクサ))は、日本の宇宙開発政策を担う総務省、文部科学省所管の独立行政法人。

多分現場は宇宙好きの集まりなんだろう。その昔JUさんは一週間ぐらい勤めたらしい。それならきっと頭の良い人の集団だね。総務省と文部省所管の独立行政法人ってことは、国立大学とおなじ。だから学歴にこだわるのか。

たぶん下ネタは絶対禁止だ。日常会話は不安があるけれど、ベッドの上だけ英語が通じる人とかはだめなんだろう。むしろそーゆー人を送り込んじゃうほうが安心なんだけどね。リアリストなら変に神がかったりしない。

募集要項をもう一度見てみた。

この条件をみるかぎり「欽ちゃんファミリー」からえらべば?よさそうに思う。ちなみに論拠はない。

これまでの日本人宇宙飛行士をみると、どうにも「欽ちゃんファミリー」と同じ匂いがする。マジメな感じが。下ネタ禁止だったり、倫理コードが厳格だから文科省も満足。タバコとかニャンニャン写真とか許してもらえないから。

個人的には「あいのり」に出てる人がお勧めだ。英語が話せるし(たぶん)コミュニケーション能力が高い。ただ、飛行士同士が複雑な三角関係に陥ってギクシャクするかもしれない。恋敵が宇宙遊泳中にロボットアームでぶん殴るかもしれない。それはそれで見てみたい気もするが、きっとピンク色だよ「ラブシャトル」。

わかった。JAXAが選んじゃ駄目だ。

日テレと組んで、フリーの福留アナを召還して「ウルトラクイズ」を復活させて、優勝の商品は黙っておいて実は宇宙飛行士ってことにしよう。途中も面白いし、飛んでからも面白い。「プールでバラマキクイズ」を組み入れるから体力調査も兼ねる。たぶん優勝するのは立命館大学のクイズ研究会の人だから、若い。若ければ訓練すれば泳げるようになるし、英語も話せるんだろう。何よりクイズに強いから、宇宙で何か問題があっても即答できる

それが駄目なら宇宙が大好きな人の集まりなんだから、JAXAの中の人からえらぶべし。

基準も「つくば市民マラソン」で何位以上とか、緩くして。

上の、ギチギチ縛りのある募集要項をみる限り、誰が行っても結果は「道徳の教科書に載っているちょっといい話」にしかならないだろう。宇宙はすばらしいってそれだけだもん。所管する団体がつまんないと、全部つまんなくなるわ。もったいないわ。日本中が注目する実験「さよならジュピター」のアレは本当にできるのかどうかはためさないだろうなあ。

いっそ、シンガーソングライターとか打ち上げてさあ、曲作ってもらうのってどう?

民間に期待します。

うぱーのお茶会(移転しました):【続編】オネアミスの翼2 王立宇宙軍【映画】 – livedoor Blog(ブログ)
彼はいいスポンサーになったはずなのに。

【レポート】北海道、宇宙へ挑戦中 – CAMUIロケットの燃焼実験を見てきました (1) 町はずれに立つ巨大な鉄塔、それが実験場 | ネット | マイコミジャーナル

JAXAに比べて、自民党の新人募集はわかりやすい。

自由民主党 【衆議院議員志望者公募要項】
◆審査基準 次の基準に基づき審査します。
(1)21世紀の政治を考え、活動できる人。
(2)清新・清潔な人。
(3)広い見識の人。
(4)信念と情熱の人。

お前が言うな。

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広告批評:来年休刊 – 毎日jp(毎日新聞)

ニッポンIT業界絶望論:江島健太郎 / Kenn’s Clairvoyance – CNET Japan
情報財に固有の、限界費用ゼロで複製できる性質が活かされる余地はまるでない。情報財の競争は人々のアテンションを奪うためにどんどん激化していて、最先端ではもはや「対価は無料に限りなく近いもの」という次元で極限まで「広く薄く」のモデルでバトルが繰り広げられている。今の時代、無料で利用できるサービスが一番クオリティが高いというのは偶然じゃない。これは情報財というものの本質が見えていれば、競争原理が正常に機能した結果だということがよくわかる。それなのに、受託開発の世界の人たちには、そんな土俵が存在することすら見えていない。

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