縦揺れの原因

先日の橋の下で撮影した動画の縦揺れ。すごく気になったので調べてみた。揺れる前の設定から揺れるようになるまでに変更したのは2カ所。

カメラの変更。

75グラムの重量増。しかし75グラム差で簡単に揺れるだろうか。以前は、アルミ板で重心を取ったパナソニックのTZ5を乗せていた。カメラの重心がグリップの真上に来るようにしていたので、縦揺れがあっても垂直方向にカメラと装置が落ちる。だから映像で揺れを感じない。

ときたま自作ステディカムに興味のある人に、上下動の消し方を聞かれる。バネで吸収しようみなさんお考えになるのだが、私は映像の縦揺れは誤差だと考えている。カメラと本体が同時に垂直に落ちればよっぽど近景を撮影していない限り映像は揺れない。

だから、上記リンク先の自分で撮影した映像はなんか気に入らない。そんな縦揺れが起きるわけがないのだ。

腕の持ち方の問題なのかなあと思った。カメラが重くなって腕が下がったか。

そうだ、もう1カ所、カメラ以外で変更した場所があったのを思いだした。

カメラステージの構造変更

TZ5のときは、カメラ側にアルミ板が付いていたのでただの水道キャップをステージにしていた。

今回カメラが変わってステージを作るに際し、スリットを開けた薄いアルミ板でステージを新造した。アルミ板の厚みは計算済で、強度は充分あると思う。取付方法はアルミ板を曲げて、十二分な強度のボルト止めをし、樹脂パイプを介してクランプでアルミパイプに付いている。だからここが弱いとは思わない。

問題はどこか。

動画を見ると歩くリズムで縦揺れが起きている。これは、上下動を広うというよりも、ピッチングの揺れである。首でいうと、「うなずき」がどこかにあるみたい。すると、パイプが細いのがひとつ問題として考えられる。いまさらボアアップで20ミリ版とか作りたくないぞ。

たかが345グラムのカメラでこうもずれるかネェと、いちどカメラステージを本体から外してみた。カメラは横に液晶が突き出る一般的な形だ。だから、横に突き出るぶんをスリットで打ち消そうと、カメラと直角にカメラステージを付けていた。

ここだ。

two grips – YouTube
こんな感じで板と垂直にカメラを積んだ。だから、お尻にリチウムイオンバッテリーパックなんてものを積んでると、板をバネにして捻れてしまうのだろう。捻れる量はわずかでも、映像には映ってしまう。スリットがあるぶん、アルミ板として弱く、かつ捻れる方向に弱い。そもそも、この取付方法でカメラの重心が取れている保証はない。そうだ、カメラの重心を取っていないじゃないか!

完全にカメラの取付ミスだね。原因がわかったよ。

カメラステージに沿ってカメラを乗せていみた。横移動ができなくなるが、幸い下棒の末端に二次元対応のウエイトガイドが付いている。二次元ウエイトに付いては下の写真をみてほしい。ネタもとは一昨日のエントリーを参照のこと。

自作のスレッドタイプのステデイカム
homemade video stabilizer

全体写真で見づらいが、拡大すると右下の部分にネジに不相応な高ナットが付いているのが見えるだろう。カメラステージのスリットでカメラを移動しての左右調整が出来なくなったけれど、下で調整出来るから良し。

なんだ、縦に乗せただけで揺れなくなったぞ。ついでにJVCのHDDカメラには手ブレ補正モードが付いているのでオンにしてみた。いつもはカメラの補正は使わないのだが、まあいいや。揺れない方が良いし、そこにこだわるような画質でもない。

揺れの原因は本体の豪勢不足ではなく、使い方のミスだね。