朝起きたら火事
浮かんでくる意識の中で、サイレンが聞こえた。やたら近いところでサイレンが止む。
雨戸を開けるとそこはすでに火事場だった。
サイレンがとまる
ずいぶん近くで救急車が止まるなと、半分眠った意識の中でサイレンを聞いた。しばらくするともう一台。やたらと近所まで近づいてからサイレンをとめたので、これはただ事じゃないなと目が覚める。時計を見ると朝の5時。眠ってから2時間も過ぎていない。
冬の朝だから5時とはいえ外は真っ暗である。身支度をしようと隣の部屋に移ると、窓の外が煌々と赤く照らされている。窓を開けてみると、火こそみえないが反射した光で外が明るい。あまりに近いので怖くなって締めた。
ダウンジャケットを羽織外に出る。一気に燃え上がったらしく、火の手はすでに屋根を越えていた。闇夜を炎が照らす。舞い上がった煙は厚いうちに勢いよく立ちのぼり、上空数十メートル冷やされて横に流れる。天井裏まで火が入ったころ、消防が放水を始めた。火はいったんおちつき、煙が急激に白くなるが壁や天井にもぐりこんだ炎が抵抗を試みる。
おいおい泣く
放水が始まりひとまずおちついたので表通りから様子を見に行く。警察車両がようやく到着。火の手が上がってすぐではなく、火が回ってから通報だったようで住人にはなすすべがない。焼け出されたらしい人が警察の職務質問を受けていたが、気が動転していて泣いていた。ショックで声にならない声だった。
寒い中ジャージ一枚で外に逃げ出したのだろう。寒さと恐怖で膝を抱えて座り込んでいる。誰も上着を貸すでもなし、毛布を貸すでもない。車に入れるわけでもない。
防災
泣いている人を見てつらくなったので帰って寝た。近所の火事でも消防が来なければなすすべがない。消防がくる前提で生活しているが、震災クラスの火事が起きたらどうしようもないと痛感する。
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