平磯でプレジャーボートが転覆

平磯でプレジャーボートが転覆

ヘリコプターの救助活動に遭遇

平磯の海岸に難破船

風が強い日曜の昼下がり。
運動不足解消に風上に向かってサイクリング。
海からの東風なので足は自然に海に向かう。

海岸線を走り始めてすぐ、飛行物体が目に入る。
随分低い位置を飛ぶ何か。
空中撮影?かと思う。
撮影ならセスナを使うがなんでかヘリだった。

様子がおかしい。
ペダルを踏み足に自然と力が入る。

救急車とすれ違う。

海難事故だ。

転覆

平磯の岩場に到着。
白いお腹を上にしてボートひっくり返っていた。
地元住人によれば、沖でボートが転覆したらしい。

海水温が10度前半。
体力があれば1時間は持つだろう。
波は2.5mから3mほどで波というよりうねりである。
これだけ波が高いと体力はそうは持たない。

こんな荒れた日に漁師は海に出ないよ、
休日だから東京から来たレジャー客だろう、
地元のおじいちゃんは言う。

救助開始

県の防災ヘリが隊員をホイストしたまま移動。
沖に赤い浮き輪とブイが見える。
陸地から200mほどの白波が立つ寸前、
うねりが一番きつい場所だ。

ここからは見えないが遭難者がいるらしい。
着水した隊員を泳がせるのかホイストのロープが伸びる。
すぐに遭難者がつかまらないらしい。

何度か試みた後ヘリの動きが止まった。
隊員の頭に並んで男性らしき人の頭が見えた。
今まで沈んでいたのだろうか?

ハイパワーな県の防災ヘリが
隊員ごと遭難者をつりあげた。
空に浮かび上がった男性は
救命胴衣を着けていなかった。
胴衣もなくよく助かったなと感心する。

遭難者を隊員ごと地上に下ろす。
ヘリポートはない。
道路沿いにある魚屋の狭い駐車場は
電線と林に挟まれた場所なのだが、
そんなえらい狭いところに下ろしている。
随分訓練した操縦士なのだろう。
すぐに救急車で搬送された。

捜索続行

一件落着かと思いきや捜索活動は止まらない。
救急車が一台増援されまだ遭難者がいるとわかる。
三人のうち二人を救助し、もうひとりいるらしい。

日没までもう2時間ほどしかない。
ヘリコプターは有視界飛行のみだ。
暗くなったら飛ばせないし探せない。
県のヘリはそろそろ燃料切れ。

見ると遠方から海上保安庁のヘリが来た。
ついで自衛隊のジェット機が飛び始め、
仕舞いには県警のヘリが応援に駆けつけた。
沖合いでの転覆と同じ体制を取ったようだ。

沿岸の見えるところでの転覆だから、
ジェットを飛ばしてもな、と疑問におもう。
沖では飛行時間の短いヘリは使えない。
それゆえのジェット機なのだと得心する。

吊り下げられる様子をはじめてみた。
助かるかどうかは運次第だ。

あらためて海難事故が恐ろしいとおもう。

〔送料無料キャンペーン中〕「海猿」TV
ORIGINAL SOUND TRACK-CD-

空飛ぶ山岳救助隊―ヘリ・レスキューに命を懸ける男、篠原秋彦