ジンバルの作り方

ベアリングジンバル

自作ジンバルの作り方

2014年に作ったベアリングジンバルです。滑らかに動きます。片持ち両持ちともチーズジョイントという丁字の水道ジョイントにベアリングを収めます。

海外の自作機でもよく見かける手法。果たして一眼レフの重量に耐えられる物が作れるかどうか。

縦軸は貫通。ボルトの六角のアタマが見える軸は両持ちで、筒の両端に収めたベアリングをそれぞれ手前と奥でベアリングを保持しています。縦軸を避けるため。

右のL字も同じ水道管の連結部品を切って形を変えました。

本来中心軸のみ大きくするところを、全部同じ規格にしました。一見奇妙にもみえる構造ですが3軸分のベアリングの外径を揃えと加工の一貫性を保持します。どれもオーバーサイズにして強度を担保します。

パイプ輪切りジンバル

自作ギンバル ジンバル

多重リング式のジンバルを安価に作る方法です。写真はベアリングが汎用グレードの解放ラジアルを当初使ってますが、zの表示のついたのシールドベアリングを使って下さい。砂とホコリに強くなります。

ベアリングには種類があります。縦方向の回転に強いラジアルと、水平方向用のスラストがあります。スラストはシャフトを通す場合は良いのですが小径で軸が小さいものはラジアルを横に使います。PINKLION先輩の作例では両方向に強いアンギュラ・ベアリングを使っているそうです。ふつうのラジアルよりちょっと高いのですが、あとあとその差が大きくなります。

釘ジンバル

軽量モデルでいくつか実験したことがあります。いかにして安く作るか考えると、ひとつ数千円もする金属製のユニバーサルジョイントは使いたくない。そこで思いつくのが釘です。実験してみると、揺れの程度は実はさほどかわらず、コストパフォーマンスは最高です。

釘をボルトの頭に開けた穴にはめ込んでいます。最大の欠点はいつ外れるか分からないこと。可動範囲もせまく、扱いにくさを感じます。

玉ジンバル

動画の最後がボールトランスファーです。フリーベア社製のC-5H玉を棒付きのものに入れ替えました。

もともとは重いものを載せて転がすコロです。本来はグルグルと回ります。

棒をつけてしまうと可動範囲が狭くなります。可動域内の動きはかなり滑らかです。

動画は単純に部品を入替えていますけれど、本来は精緻な調整が必要です。動画の揺れの差は目安程度にお考え下さい。ボールトランスファーの動画はロールが大きく見えます。ボール用に再調整すれば消すことができます。

国内の自作ステディカムの作例として、フリーベアが沢山使われた時期がありました。フリーベアにマーリンスタイルの弓を取り付けて、横棒を設置するのが作法でした。フリーベアは優秀であらゆる方向に動きます。じゃじゃ馬です。じゃじゃ馬に前を向かせるために横に棒とオモリを付けいてたのかもしれません。

ユニバーサルジョイント

ユニバーサルジョイントは、三好のホビー6ミリを使用。把手側のみベアリングを入れています。可動範囲も広く、釘のように外れる心配がないので自由に使えます。

実験結果

今回の実験結果としましては、ユニバーサルジョイントで作ったスタビライザーにボールトランスファーを入れてもダメ。ボールトランスファーのためにドロップタイムからすべて再調整が必要で単純に比較できないことがわかりました。釣り合いさえとれれば他のジンバル、釘、UJと大して差がない。

電動ジンバル

電動について。私が仕組みを知ったのが2014年。マイコン制御の基盤と基盤を動かすソフトウエアがあり、アレックス・モスなる人物が作っている、らしい。

電動ジンバルの仕組みはこんなかんじ?

「電動ジンバル」は「通称」です。3軸をモーターで制動してカメラを安定させるシステム全般を指します。手ブレを吸収するために、手ブレとは反対方向に電気的にうごかします。動きはセンサー。センサーで得た情報を基盤のマイコンが受けて、ブレ方向と反対側にモーターをうごかします。

言葉で説明すると長いですが、機械は瞬時に対応してくれます。たとえば画面の水平方向右に3度、下に2度傾いたなら。センサーが右3下2と基盤に情報を送ります。基盤は脊椎のように反射の指示をだしてモーターに左に3、2動けと命令。

実際には基盤が受けとるセンサーからの情報を、マイコンで数字に直します。その数字をソフトを介してモーターに送ります。ブラシレスの設定を見ていると、モーターの動きの量をどのくらいにするかは人間が判断してカンで決めています。そのため、誰が使っても同じにはならないのです。

電動ジンバル式のスタビライザーは参入してくる人が多いので、安易に始めると痛い目に遭います。私から見ると高価な「ブラシレスモーター」を使う時点でフトコロが痛い。通常のモーターは永久磁石とコイルを使い回転軸の接点を半回転ごとに切替えて回転力を得ます。これに対して「ブラシレスモーター」は、コイルの中にセンサーを備え、位置を検知して電流を回路側で切替えます。接触部品が減るためメンテナンスフリー。ブラシ付のモーターは半回転ごとの制約がありますが、ブラシレスなら角度の制御がかんたんにできます。

2000年台にはまったく姿形がでてこなくて、2015年にかけて急速に普及。アレックスさんのおかげか、技術が一般に降りてきました。おそらく産業用のロボットなどに使われた技術が発展したのです。こまかい説明は下にリンクしました実際に使ってらっしゃる方のホームページをお読み下さい。マイコン制御ですから、制御の部分にミソがあります。結局、機械式で安定させても電気式で安定させてもなんらかの調整が必要です。

これからフェイユーの時代なのかも

電動ジンバル
お客さんの小型電動ジンバルFeiyuと、いろいろ。
ytmbrten - YouTube
上の写真はmaker faire tokyo 2014 にて。ytmbrtenさん愛用のMoVi。
あにまるっ のログハウス建てちゃうぞ でっきるかな? 自作ステディカム
Maker faire tokyo 2014にて電動ジンバルを展示した「あにまるっ」さん。
Brushless Gimbal Steadicam
興味のある方はどこかで必ずその動画を見ているeijiさんのブログ。

いまはもう最初から電動ジンバルの時代です。非電化の機械式を自作したユーザーの立場から、機材ごとの特性について少しだけ説明します。

非電化にするとバッテリーの心配がありません。重量は電動も非電化もカメラの重さ次第です。カメラが重くなると機材強度が要求され電動であろうと無かろうと重くなります。

gopro=iPhone < コンパクトデジタルカメラ < 一眼レフカメラ < 業務用の大型

以上のように重さの壁が歴然とあります。goproとコンパクトデジタルカメラは同じカテゴリに入れてもよいかもしれません。弓型の小型のスタビライザーが多数販売されています。その多くがやっつけ仕事ではたして使い物になるかどうか。

電動ジンバルの動画を撮影しました

初のオフ会参加です。ビデオSALON | 玄光社ATOMOS株式会社の展示会を幸運にも見学できました。

実機を触ってきました。4Kモニタと映像も初体験です。

DJI Ronin camera Gimbal

最初に「好みの問題」とあるのは、フォローモードと固定モードの設定に付いてです。

動画での動作は水平も「フォロー」のため、Steadicam SOLO改使いのたけくるさんとしては、水平固定がほしかった模様。

nebula 4000 ネブラ 小型電動ジンバル デモ

フォロー、固定のモードをボタンで切替えます。フォローはゆっくりと追随。固定は一点集中で、スライダー、クレーンのような使い方ができます。
フォローで上下のクレーンのような動きをすると、対象物の好きな場所が写ります。
固定のまま上下すると爪先から顔まで順番に撮影することになります。




ページのトップへ戻る