太宰治の小品で、「蜜柑」という話がある。僕は文学青年ではないから、太宰を語ろうとは思わないが、あの分量で、ほんの一瞬を切り取った描写で「あれだけ」のことが書けるのは、さすが太宰だなと思う。
だてに玉川上水で芸者と心中しているだけのことはある。
芸者と心中しそうにない僕のほうは、朝ご飯を食べない生活が続いて栄養不足のようだ。スーパーに買い物に行くと、無性に蜜柑が食べたくなった。そこでハウス蜜柑を購入。この時期はまだ路地ものは出ていないのだ。
久しぶりに食べた蜜柑はおいしかった。