水戸城址散歩

三連休の中日なので、今日なら平気だろうと水戸城跡に出かけました。南側の本丸は木が伸びるに任せています。歩きつつ本丸の城壁である南斜面をのぞき見るとなかなか急な崖でした。古い本によると、斜面を電車が走っていた時代によく崖崩れが起きたそうです。水戸は御三家のため参勤交代がありません。そもそも殿様は水戸に住んでいませんので石垣はなく、ただの丘でしかありません。

そんな丘の城跡にはもともと小さい城しかなかった上に廃城して学校が立っています。

いちおう薬師門という城門はありますが、高校の敷地のため学生が居る時間帯はなかなか歩きにくいので、休日に見に行ってみました。

学生をやめてからずいぶん時間が経ち、彼らの生態を忘れていました。そう、中高生は部活にいそしんでいるのです。テニスコートでは中学生がラケットを振っています。通りすがりに彼女たちの掛け声をきくと、何を言っているのか全く理解できません。音便が進みすぎてもとの言葉を推測できません。

向かい側の女子校からは、ジャズ喫茶のBGMのようなサックスの音が聞こえてきます。ときおり中学校のブラスバンドの音が聞こえる場所に住んでいるので部活のラッパは聞き慣れて居ますが、音楽科のある高校生だけあって、妙に大人じみた曲でした。

弘道館戦争の水戸城側の陣地だけ通過して反対側の北面に下りました。おりたところは材木屋が沢山あります。水泳の練習場の碑が建っています。いまは堤防で囲われていますが、明治以前は堤防がなく、材木の積みおろしに船着き場があったのでしょう。内紛以外の戦闘がない城ですから、西国の城のような合戦の歴史はありません。なんだか役所というか、へんな生活感のある土地です。