ジンバルとステディカムの使い分け

サッカーをみていた。広島のサンフレッチェとコンゴ共和国のクラブチーム同士の戦い。国内で試合。

攻めるときにカメラが移動していた。ステディカムのアームベスト付にしては走るのが速いなあとおもっていると、そのうちちらっと見切れたカメラマンがうつりました。背中からL字の棒を突き立てて電動ジンバルを吊ってました。

あの背中から棒を立てる仕組がなんて名前なのかよくわからん。毎回検索するのが面倒なのでメモしておきます。

イージーリグと言うらしい。
EasyRIG3 Cinema 400N (スタンダードアーム/スタンダードベスト)の詳細情報 | SYSTEM5

ジンバルは走ったときに強い。日本選手がゴール前に走り込んだときに一緒似上がる映像を撮ってました。レールのほうが映像はきれいですが、サッカーはコートを入替えるのでもしレールを二度引くのが面倒なんでしょう。

自陣のコーナーにはステディカムの業務用が一台。アームベスト付きのなんだか知らないすごい高いヤツ。こちらは敵選手がコーナーキックをするときに回り込んでます。まりを込みの映像は、背景の説明と位置関係の説明が同時に出来てべんり。

フランスの同時多発テロのときもサッカーフィールドに降りて抱き合う家族をステディカムが回り込んで撮ってました。両親と女の子でパパの不安げな表情と、周囲の不安げに佇むたくさんの群衆をうごきながらひとフレームに収めています。こんな非常時にも撮影テクニックで映像に凝ってしまうのは、日本なら不謹慎とか文句を言われるのでしょうけれど機材があってその係だったらやるしかないでしょう。

2つの機材のちがいは、ジンバルは走れる、ステディカムで走るとひどい目に遭うと憶えましょう。ときどきした見て無かったのでそのシーンがあったか分かりませんが、敵陣のコーナーキックがあったとして、電動ジンバルでゆっくり撮ることは出来ます。ただ、ステディカムのようにふんわり感が出ない。逆に自陣に敵が走り込んできたときは、オフサイドラインとボールに併走して撮影するのはたぶん無理。適切な位置に身を置くための装置で走るのは難しいと思います。

いまのうちに特機を扱えるカメラマンを養成してオリンピックに備えたいところです。いちばん足り無いのはワイヤーで吊るカメラ、フライングカムのオペレーターでしょう。