キーボードを外してゴミを取る

キーボードの動きが渋い。

スプーンの柄でひとつ「M」のキーをはずしてみると簡単に外れた。
これならと、薄身のケーキ用フォークでひとつずつ外していく。

外したキーは配列のままテーブルに並べる。

すべてのキーを外し終えると、底にゴミがいっぱい溜まっていた。まずはひっくり返して新聞紙の上にゴミを落とす。キーの根元にある取れないゴミは竹ひごと濡れティッシュで排除。キーボードのパームレスト・・・掌を置く場所・・・もなにやら汚れているのでウェスで拭いてみたのだが、梨地加工された樹脂が汚れを掴んで放さない。台所のクレンザーを布に塗布して磨いてみた。梨地のシボがつるんとしてしまうがきれいになったからよし。

次はキーだ。キーの側面に手垢がでろんとへばりついている。 クレンザーをつけた布でひとつひとつ丁寧に磨く。磨いて同じ場所に並べ組み立てに入る。今度は洗剤なしの水ぶきでぬぐいながら、左から順にキーボード台座にキーの足をはめ込んで行く。

ひととおりはめ込んで気が付いた。キーの表面がピカピカ光るものがある。長年の使用するうちに指がキーボードの表面を磨き上げたようだ。とくに母音のキーは表面がつるつるしている。疲れてくるとタイプミスが増えるのはこのためだろう。

早速Aのキーを外して梨地加工をつけることにした。

まずは真鍮ブラシで叩く。全く反応しない。細かい傷が付いただけ。これでは紙やすりで磨いても駄目だろう。もっと先端のとがったものを探す。道具箱でカッターナイフを見つけた。先ほどまで使っていたウェスを畳んでキーを掴み、使い古しのカッターナイフの先端でこつこつ叩く。

荒っぽい方法だがそれなりの模様がついた。梨地と呼ぶには雑だが指で触れてみるとしっくりする。はめ込んで使ってみるとキータッチが楽になった。

今までは無駄にスリップして指の力が逃げていたのだろう。