フルオートワルサーP38

趣味の欄に読書と書きます。

本の種類は問われません。もうすこし話のきっかけになるような趣味を書くべきか。本は社会と同様範囲が広いので絞るべき。私の場合過去の冤罪事件に関する調書と正直に言うべきか。もっと具体的にいえば証拠品の捏造と警察活動に関しての本を読むのが面白いよ。一般受けしないけど。

洋の東西を問わずその手の本を読んでいると、証拠品の扱いに関する一生使わない情報が手に入ります。子供の時に読んで不思議に思ったのは、アメリカのどこかの州警察が書いたワルサーP38を押収するときは安全装置に手を触れるなという注意事項。

ギャングのアジトに踏み込んだときにワルサーあったらヤバイぞと。

なぜそんな文章を英文で読んだのか忘れましたけど、フルオートになる理屈が分からないまま幾星霜。

モーゼル HSc ダミーカートリッジ式モデルガン作動動画 – YouTube
ハートフォードのモデルガンの映像をみていて、気が付きました。

また別な何かで知った情報で、P38の安全装置がへたる話を思い出しました。撃針と撃鉄を分離するブロックは使っているうちに凹むかずれるかして機能を失います。

P-38安全装置はハンマーデコック。安全装置をかけるときに撃鉄が倒れ安全位置に戻る仕組が備わっています。

  • 撃鉄が倒れる
  • 撃鉄と撃針を分離する仕組が機能不全になりやすい

以上の情報を組み替えてみると、フルオートになる仕組がわかります。改造というより裏技であり設計の不備に近い。

どういうことか。撃鉄を上げて薬室に弾が入った状態のワルサーは、安全装置がぶっ壊れているなら特別な改造を施さずともフルオートになるのです。

貴方は今発射状態にあるP-38を手に入れました。撃鉄と撃針を分離する部品ががへたってるとはわかりません。良かれと思って安全装置をかけます。

  • 安全装置を操作
  • 撃鉄が落ちる
  • 安全装置が機能不全
  • 意図せず撃鉄が撃針を叩き発砲
  • 排莢
  • 次の弾が自動給弾
  • スライドが戻る
  • 再び発砲

と連続発砲になるのです。これが引き金にふれずに安全装置だけで弾が出る理由です。

細かく言えば銃身がショートリコイルで後退しスライドが後退し薬莢が排除、通常ここでサイクルが止まりますが安全装置が不備ですからスライドが戻る勢いで撃鉄撃針を叩いてしまうのです。

丁度エンジンのようなサイクル。ロック機能が機械式で、パーツが変形すれば容易に起きる構造のミスです。ベレッタも機能は同じものを引き継いでいますので同じミスが起き、93Rにいたってはこの機能を応用したのかフルオート機能が付いています。

いまどきギャングがドイツの軍用銃を後生大事に持っているとは思えませんので、私が読んだあの資料はたぶん戦後のどさくさで米兵が鹵獲した戦利品が闇に流れていたころの1960年くらいの資料と思います。

趣味は読書と書くのはやめようかと思っています。