若いときに苦手なのに今は好きなもの

ときどき思い出したように書くのだけれど、地味なのが好き。

赤川次郎原作のほうの、松田優作主演の探偵物語がいい。やりすぎないお芝居がよい。あのチームはのちに「あぶない刑事」シリーズに関わるスタッフ。探偵物語とあぶない刑事の間に、村川監督の遊戯シリーズやら野獣死すべし、蘇る金狼などのカドカワ映画があります。

まーただ、探偵物語がよく見えるようになった背景には、私の加齢が関係あるのかもしれません。若いときは、ぜんっぜん思い入れもなくて。だいたい日本映画って暗いし。いまみると良くできてるのが分かりますが、若いときってどうして分らなかったのでしょう。

若いときにイイと思わなくて、いまごろになって良く見えるもの。ほかになんでしょう。基本的には子供のときの好みは案外かわりません。高いとこが好きなやつはずっと高いところに登りたがるように、男子は小学二年生と中学二年生を引きずって大人になるんです。

大人になってからはじめたことがあんまりない。だから若いうちにいろいろ経験しておきなさいというのは、年取ってなるほどなと思います。読書もそんなに急に読み物は変りません。私は、そんなに冊数はよんでいないけれど早川書房のミステリ育ちなので、いま読んでいるのもなんとなく延長線上にあります。

読みたい本が無くなって、どんどん先祖を辿っていくと、早川で、さらに辿るとだいたい私の場合江戸川乱歩先生がでてきます。

だから純文学とかあんまり縁が無いみたいで、いわゆる読書好きが読むような、押さえておくべき本を読んでいないので共通の会話には持ち込めなくて残念に思うときが、年に1回ぐらいあります。

ジブリが食傷気味なのでけれど、いまになって見ると、とももと「猫の恩返し」がなんの主張もなくて良い映画に見えます。「海がきこえる」も、大人になってからみると良いですね。わかいときはテレがあってみてない。

大人なのだからいいかげんドラマを見れば良さそうなのもですけれど、意外と見るのがない。もうなんだかバイオレンスの映像は飽きてて、ネットのドラマは長編が多くて付き合いきれません。ギリギリERは三シーズン目くらいまで見直したい。

最初に見たときはまだ私はステディカムを作っていないときでした。いまみると一流のカメラオペが楽しめるはず。