省略の美学

年末 とても気になる作画をGIFアニメに変換し、さらにフレームレートを長くして超スロー営巣にして、動きの謎を解析しました。

なぜ、残像の逆を書いてあるのか。作画ミスではなく、計算ずくです。3コマ打ちの動画で、さらに間のコマ数を間引いてあります。つまり、フルレートの真逆で、動きのタイミングを見せるためにあえてコマを間引いてありました。

説明が難しいのですが、たとえば今のコンピューターのなかでアニメをつくるなら、一秒間のコマ数はいくらでも調整がききますから、2コマ打ちであろうとやろうと思えば出来ます。

タンタンタンタンタンタンタンタンとなるところを、
タンターーンタンタンターーンタンとしてあります。

ターーンとなっている場所は、あえてコマを増やさず、止め絵になっているのです。
この処置により、枚数が減ります。次に動いている部分と、静止画の部分の比較がはっきりし、メリハリが生まれます。

間引いたコマの部分に本来存在しない、動いた後の「足」が書き込まれていまして、間引かなければ存在したコマから、先行として「足」を薄いグレーで移植してあります。

2コマをひとつのコマに収めることで、次のカットに自然に繋ぐことができます。それで実際にみると、動きは滑らかで自然で、格好良いのです。

セル画の枚数で考えると驚異的な少なさ。

セル枚数を減らしつつ、見せる技術は惜しげもなく使っていることが解析できました。

作り手のセンスの依存する話です。だから、いまのアニメーターさんがはたして同様のことが出来るかどうか。おそらくできない。なぜならば、絵のセンスとタイミングの打ち方は個人のものだから。