こうすれば簡単に作れないか

アルミ3号機改
アルミ3号機改

【安定の度合い】
自作安定装置は、歩いたり、風で回転するうちはダメということで。
うまくいっている方の動画を拝見すると、左右のウエイトが効いてるのがよくわかります。
YouTube – Ver2.0.6&カメラ安定性テスト
なぜその形になったのかもようやく理解できました。ありがとう。

【カメラを人間の頭に喩えると】
カメラ安定装置の自作する場合、形を真似することから始まります。形を真似するととりあえず前後の動きは制御できます。前後の動きとは居眠りで「船を漕ぐ」あの動きです。

この動きはカメラの下に棒なりオモリを付けると制御できます。

次ぎに問題になるのが他の方向に向かう手のブレ。

それは赤ん坊が「嫌々」をするように首を振る動きと、「首をかしげる」動き。よその人のテスト動画や自分の撮った映像を見かえしてみると、上記2つのブレが残っているようにおもいます。

私もアルミの3号機 AL-03 と称したモデルで完成したつもりでした。しかし撮影してみるとなんだかブレるのです。
coza4 diary » Blog Archive » カメラ安定装置3号機 AL-03

このブレを撮るために、ジンバル直上に横棒を入れました。棒の先にオモリを付けることで「横にかしげる」動きと「嫌々」する動きの2つを同時に沈静化できるスグレモノです。

上記写真のモデルをAL-03 A1とします。アルミ3号機の改良型の意。
「AL-03」と「AL-03 A1」の違いは横棒の有無だけです。

【反省点】
素材をアルミにしたころから、全体をちいさく作りすぎたようです。とくに前後が短すぎ。
もし今アームを作り直すとすると、以下のようになります。黄色がカメラとお考え下さい。

次の構想
次の構想

【もし次ぎに作るなら】
うちの作例が写真の左になります。グリップとジンバル、カメラ固定ネジを同一直線上に配置てあります。

一見合理的でまとまっていますが、この配置のため横回転が止まりませんでした。

回転を止めるためには回転軸(ジンバル)から離れた位置にオモリが必要です。
写真のモデルではオモリが軽すぎました。

イラストで描いた模式図のように、カメラ(黄)はジンバル(灰色)とずらしたほうが良さそうです。
ここをずらすことで前オモリ(赤)と前後のカウンターウエイトとなります。
そうすると、AL-03 A1のように横棒を入れずに済んだはずです。

DIY steadicam camera stabilizer
バランスが重要だって話はこちらのページの下部中央にとっくに図解してありました。
見てる筈だし読んでるはずなのに、こういうことは自分で失敗しないと分からないものですね。

【設計のポイント】
次ぎ作るならこんな感じ。

まずアーム。(緑)これは深く曲げます。アルミの10ミリ前後なら2つ針金で束ねてパラレルにすると良いでしょう。剛性はこれでもかと高くします。移動中に歪むと微調整が絶えず必要だからです。あと理想をいえばリュックサックの内側目一杯とか、手提げカバンの中に収まる「運べる」大きさにしたいですね。アームを縦ではなく前後に深く取りたい。
アルミ板 フラットバー 厚6mm 幅30mm×長1000mm A6063素材はたとえアルミフラットバー。

6ミリ厚までいくと曲げるだけで大変です。これで作るとカメラ取り付け部分として穴を開けるだけで使えます。

私はアルミパイプを使いましたが、10ミリ程度の角パイプとか、20ミリの角材白木を金物で継ぐとか、アルミ薄板とか何でもかまわないでしょう。「曲げ木」はやりそびれました。案外木がいけるのかも。板とか。

棚板をとめるL字型の曲げ木などが組み合わせると使えそうに見えました。へんに工作するよりなるべくソリッドで堅いものがよいでしょう。AL-03もアルミパイプを可能な限り長く取って剛性を出しました。

【レイアウト】
形状を決める要素は手にぶつからないことのみ。ただ、カメラを後ろにする場合、あまり下げすぎると広角レンズの画角にアームが入ってしまいます。ここはカメラの見える範囲に合わせて加減しましょう。もしカメラに入り込んだら曲げを直すよりカメラ位置を前か上にあげてしまいましょう。

カメラ(黄色)と前オモリ(赤)がシーソーのようにジンバルを挟んで釣り合わせます。こうすることでカメラ自体がカウンターウエイトとなり、総重量の軽減、左右オモリの省略が可能となります・・・なるはず。

青い下オモリはカメラと釣り合えば良く、ジンバルから離せばカメラより軽いもので事足りるでしょうか。ここは座金ことワッシャを使って左右に動かせるようにしましょう。
DIY steadicam camera stabilizer
ネジで止めるためにちいさい穴で大きな座金を2枚用意。その間に内径のおおきな座金を入れます。こうすることで内径の大きな座金は自由に動かせます。この方法は簡単に見えますが、出先で調整するには十分な機能となります。

あと可能であれば上部カメラを設置する場所は「かまぼこ板」にして、バランス調整用の座金をネジ留めできるようにしたい。カメラ底部より少しだけ大きくして、フチにペーパークリップを挟めるようにするとクリップがそのままウエイトになります。ネジと高ナットを設置しても良いでしょう。

【あえて付けない】
折りたたみ機能・・・ロック確実がではない、毎回バランスが変わるのでつけません。
微調整装置・・・装置として付けるよりネジの移動のみで済ませた方が軽くて簡単です。
クイックシュー・・・重量増加のため付けませんでした。大物はともかく、SDカード式のカメラなら不要かと。

コツは剛性を高くて稼働部を減らすことでしょうか。まずは機能することが優先です。そのあと持ち運びようにどうするか悩むべきですね

たとえばこんな感じ。ドイツ製。
YouTube – Steadicam Camera Stabilizer Homemade 2009 test 2 HQ
たぶんスチールパイプの組み合わせです。そこにパイプ・クランプとH型アングルを利用してカメラ取り付け台座とオモリをセットしているようです。パイプの自重があるので前オモリいらないみたい。

長々と書いてしまいましたが、余計な要素と必要な要素を取捨選択して、あとは自分の工作技術と相談して作りましょう。外観を真似しても機能が伴わないよりも、機能に合わせて形を生み出して下さい。