高級チューブベンダー

思いつく限り一番高いチューブベンダーを発注しました。
ラチェット式で曲げ半径が大きい一品。
完全にプロ用のツールで、素人が持っていないだろうモデルです。
5/8インチの太いパイプ専用です。たぶん15ミリも曲まがるでしょう。
0.85ミリは誤差の範囲。

頼んだものは海外製品で、配管のプロ用です。
本来エアコンの取り付けやガス管の加工に用います。
冷えた状態で曲げられて、中に砂を詰めずに済みそうです。

道具を買わずに曲げる方法もあります。
ただ、それはそれで長い道のりなのです。

【チューブベンダーを買うまでの道のり】
まず、手曲げを考えました。
アルミパイプに砂を詰めガスバーナーで加熱すると曲がります。

あぶり手曲げ必要な道具として、まず新富士ガスのパワートチーが必要。
空気調整弁がレバー式の、トリガータイプが欲しい。これで4000円くらい。
単にバーナーとして使うにはもっと安価なモデルがあります。
ついでにアルミの溶接棒も見ました。
5段階評価で難易度5だったのでやめときます。

【砂】
次に砂。これは河原で取ってくるか、買ってくるか。
篩い(フルイ)に掛けてパイプに詰めます。

【木栓】
パイプ内径にあわせた木栓をたたき込みます。

ここまでの手順でも相当面倒です。

【型】
次に曲げに合わせたコンパネを切り出します。
パイプ径と厚みを合わせて、熱で緩んだパイプを当てて曲げます。

【場所】
バーナーを使う場所がまた問題となります。型さえ変えればいろんなカタチが作れるので加熱加工も魅力ですが、火を使うと火の管理が必要です。それにやけどするのが嫌。

【技術】
さらにやっかいなのは曲げる技術です。適切な温度で加熱しないとシワができたりアルミ素材が劣化します。何本かつくれば上手くなるのでしょうけれど、練習するほど曲げるつもりもありません。

アルミパイプを1本曲げたいだけなのに、たっかいベンダーを買うのは以上のような理由からです。

それと、15ミリが曲げられると工作の種類がだいぶ変わります。
カメラ安定装置を作る際、12のアルミパイプを使いました。
12ミリもあれば強度は充分ですが、ネジを開けての取り付けには向きません。
細ネジを入れて固定するとその部分が極端に弱くなります。
同じアルミパイプも15ミリもあれば、ネジ留めしても潰れることはないでしょう。

【結論】
15ミリのパイプを曲げるなら道具が必要です。
道具を買って解決する問題は、買って解決します。

手間を考えるとチューブベンダーのほうが安上がりです。
いっとき、冷間で曲げるベンダーを自作しようかと思いました。
ただ、コンパネとアルミを積層にして中にアルミを挟んで曲げるとしても
相当強度が必要で、その部品を作る自信がありません。
加工もしんどいし。鋳鉄まではしませんわ。

炙り曲げは不安要素が多いのでこのような結論に至りました。
ベンダーとパイプを買って、作業すれば曲がるならベンダーを買います。

型の工作、砂詰め、炙りと熱管理がたぶんできません。熱の問題が大きい。