東京大気汚染訴訟 きれいな空気が吸いたい

自動車メーカーや彼らの仲間のロジックは、

「おまえら車に乗るんだろ?じゃあ、ガマンしろ」でした。

相手は大企業でお金持ちの企業家で国の後ろ盾もあります。文句も言えませんね。でもトラックの排気ガスを浴びると文句のひとつも言いたくなります。

昨日、東京の空気を汚した責任についての判決が出ました。

東京大気汚染訴訟で見えたCSRの“値段”(日経BP)
東京都内のぜんそく患者らが国や都、自動車メーカー7社などに損害賠償を求めた東京大気汚染訴訟は7月22日、11年越しで全面和解した。東京高裁が6月22日に提案した和解案を、原告団、被告であった国、東京都、自動車メーカーらが受諾したからだ。特筆すべきは、CSR(企業の社会的責任)を根拠とした一時金で訴訟が和解する初めてのケースだという点にある。

今までと違うのは、メーカーが責任を認めたこと。

今までの自動車メーカーさんはこういったでしょう。
「喘息と排気ガスの因果関係が立証できないよ?」って。

健康体の双子を連れてきて、排気ガスを吸わたときと吸わせないときの喘息の発症率をデータでも出さない限り、私たちメーカーは払えませんよ、ねえ裁判長?てのがこれまでの言い分でした。だから経済活動で人に迷惑を掛けても、やったもの勝ちでした。
その程度に日本は貧乏くさかったんです。
裁判も市民の健康より企業の利益を優先した判決を出していました。

風向きが変わったのでしょうか。

参院選で自民党が惨敗しました。これまで培ってきた支持層から支持を失ったそうです。大好きな補助金と公共事業をばら撒いて逆コースをたどれば再び支持されるかもしれませんが、私はそうは思いません。投票する側の人間が昭和のころと変質しているんだと思います。

「もう、お金儲け優先の政治経済は見飽きた」と、前回の参院選はそんな彼らに引導を渡したのかもしれません。

和解の判断を促した、安倍首相と石原都知事の功績はたたえるべきなんでしょう。でもほら、自動車メーカーに広告を貰って食ってるテレビ局とか新聞社はニュースにしたがりませんね。

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