ワーキングプアの原因は社会構造

■ワーキングプアの原因は社会構造

▼NHKスペシャル/2006年7月23日(日)午後9時~10時14分 総合/をみる。
 はたらけど生活保護水準に収入が満たない働く貧困層が社会問題化している。
 社会構造の変化は個人の力で変えられるのだろうか?

働けど働けどわが暮らし楽にならざり

俺も人を使うようになったら派遣元受会社と契約しようとおもう。

単純作業は派遣社員で十分。

でも実際、大企業が本当に実行すると地元経済が破綻します。

ためしに、地元日立製作所の求人を見てましょう。

茨城中心の求人・求職サイト ジョビジョバ
>ページ中央検索窓に”日立”と入れて検索、派遣の求人しか出てこない。

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最近日立に勤める友人が日立製品を買ってました。

うつくしき愛社精神ですね。

「家電はフナイ派」の俺からするとなんで買うかなと。

友人、その日立を初期不良で3回引き取らせたそうです。

孫受けの派遣が契約期間を終えてすぐ違う派遣会社ににまわされて

同じラインで作った製品ですからね。それなりなんでしょうね。

海外の工場なのか?後で聞いてみます。

*

国内なら、派遣業者と大企業が二重に掠め取ったうえの低賃金の労働者が作るわけです。

まともに物が出来る方が不思議であります。

原因は部品かもしれないけど。

でもその部品の最終チェックしてるのも孫受けの派遣社員だったら?

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友人は隣の違う部門の違う工場勤めだから気が付かなかったらしいけど、

すこし考えろと。

派遣が物を作るってどういうことなのか想像しなさいと。

たとえるならフランスに攻めたナチスドイツの武器工場みたいなもので

フランス人に「フランス人殺すから作れ!」といって武器工場を動かして

結果、工場でマトモなものが出来てくるわけがないでしょ。

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たとえとしては極論であるのはわかっていますよ。

しかし、派遣社員、とくに単純作業をする派遣社員にとって

企業有利の経済構造は敵じゃないですか?

地元で家族と暮らしたいのに、茨城の工場街のアパートに押し込められて働いて。

労働組織もない単純作業やライン工の世界では、企業が栄えるほど搾取されて。

その「敵」に作れといわれた製品を、心を込めて作れますか?

僕なら時給分の仕事しかしないし、ナチの憲兵に怒られない程度の仕事しかしない。

番組の出演者

NHKの番組では実際の働く貧困層である4人を取り上げていました。

30代の若いホームレス

角館の一級技能士をもつ洋服工のおじいさん

農家を継ぐに継がせられない秋田の農家

雑誌を拾い集めて売る青年

テレビの前で思わず正座。

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一級技能士がどれだけの技能なのか皆さんご存じないだろう。

一級建築士、司法書士。

彼らと同じくらいの信頼感といえばわかるだろうか。

試験の難易度も同様。

要・実務務経験なうえに難しい実技試験を通ってきているから

合格率一割の司法書士よりも難しいかもしれない。

技能を持った人すら要らない「社会」とは、なんだろうとため息が出た。

この社会体制を維持しようと思う若者がいるのが不思議なくらい酷い世界。

反乱も内乱も起きないのは戦後文部省教育の賜物ですね。

ラテンな国や多民族国家、ムスリムのど真中の方ならいまごろ・・・

復讐するは我にあり

近年若者の就労問題は個人の資質で語られてきました。

今になってようやく社会の問題としてとらえられましたが、

すでに遅い。

「問題」は見えた時点で「現実」なのであります。

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ニートとフリーター合わせて600万くらい。

日本の労働人口が6000万です。

本来あるべきもう一割の生産力が最初からダメってことですね。

就労に関して問題なのは、世代間の差が歴然としてあること。

そのうえで一度外れると逆転できない仕組みが出来上がっています。

白民党の既得権益みたいな仕組みが個人の就労にも残っているのです。

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30過ぎで努力したのに就職も出来ないのって、

当人にとってはもう「絶望」でしかないんです。

人生設計自体先行きが見えない「絶望」を誰が仕組んだのか。

政府と企業が仕組んだと、「単純派遣」の人たちはまだ気が付いていません。

しかし彼らだって学習するわけです。

今年後半、そろそろ彼らも理解し始めるころですね。

明日の給料が上がらないのは派遣でしか雇わない企業が原因。

企業の都合にあわせて派遣業法を改竄した政府の責任。

気が付いた人たちが次にどんな行動をするのかそれは誰にもわかりません。

マイナスの方向に一度突き進み始めたら、誰もとめられないと思います。

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「若者の就労問題」が見つかるまでに5年かかりました。

問題が顕在化するのに5年。ということは解決にも同じくらい時間がかかります。

これから10年ぐらい引きずるでしょう。

*

そのうえ企業の世代バランスが崩れはじめています。

団塊が定年になって会社や組織に奉仕する人がいなくなるわけです。

同時に、エッセイスト気取りの「寺脇研」が推し進めた「ゆとり教育世代」が社会に出てきます。

微妙なかんじのバブル世代をたくさん抱えたまま、ここににゆとり世代が入るわけです。

マトモな会社がマトモであり続けられるかどうか疑問です。

政治に期待はしない

小泉が支持率7割をこえた時期がありました。

ああ、人を見る目がない同胞が多いなと泣けてきました。

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お前らまた大東亜共栄圏かよって。

もう日本はフィリピンかと。

俳優が大統領になる国と「民度」は同じ程度ですよ。

僕は強い意志で「日本はフィリピン」と思うことにしました。

これからの日本

もう日本は高度経済成長には戻れない。

ゼロ成長でも生きていける社会にしなくては。

箱を作っても入れるものがなければしょうがないんだから。

*

別に僕は今の状況が悪いとは思わない。

社会構造がへっぽこで土台から崩れただけだと思っている。

姉歯さんの事件も、SG会とかヒューザー小嶋が暗躍したわけではなく、

姉歯さんがベンツに乗りたかったゆえに計算の手を抜いたら回りが全部崩れただけ。

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今の経済の不協和音の原因も、55年体制のどっかで原因があるんだと思う。

だけれど、それを突き止めて正すのは僕の仕事ではない。

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働けど働けどわが暮らし楽にならざり じっと 手を見る

「手」の代わりに、僕は「世間」をじっと眺めています。

どこをどう叩けば面白いかなって。。

みんなやる気がないときだからこそ、僕みたいな天邪鬼は元気になります。

最近痩せてきて体の張りがでてきました。

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やる気だけだけどね。

何もしませんけどね。

じっと手を見てるだけですから。

リンク

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広井良典(千葉大学法経学部教授) PDF

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