最後の20kmが危険

<自転車日本1周>80歳が事故死、自宅まであと20キロ

Hさん(80)が後ろから来た小谷村中土、トラック運転手、T(22)のダンプカーにはねられ死亡した。Hさんは自転車での日本一周を終えて自宅に戻る途中だった。事故に遭ったのは直線距離であと20キロ余りの地点だった

サイクリングで日本一周して、家の近くまで来て倒れる話はたまに耳に入る。

サイクリング好きや自転車関係者の間では時々聞く話である。

22歳のトラック運転手に過失があったかどうかわからないが、サイクリングは家の近くが一番あぶない。

高所登山でこんな話を聴いたことがある。

山小屋の近くで遭難者が遺体で発見される。捜索関係者は、なぜ彼が山小屋まで来られなかったのか疑問に思う。なぜこの50mが動けなかったんだろう?と。

夏の高尾山や筑波山では起こりにくいだろうが、冬山の体力を消耗しきった状態で遭難すると思考や体力が限界を超える。人間の脳は普段能力を使い切らないように制御しているが、すべてが限界を超えたとき「生命の危機」を乗り切ろうと無理をする。

脳が無理な状態に陥ると、山小屋が見えた途端間違えて「助かった」と解釈してしまうんだそうな。

間違いだけど。

だから山小屋が見えとたんに力尽き、なぜここで?とおもうくらい山小屋の近くで冷たくなって発見される。

自転車も同様だろう。100kmを越えると車体との一体感が生まれ、脳が速度になれて麻痺することがある。でも体力や反射神経はやや鈍っている。普段は慎重な人でも脳と体力の乖離が始まり、思ったように体が動かなくなるだろう。

体が付いてこなくても脳が高揚しているから気が付かない。そんなときにミスが起きるのかもしれない。

今回はおじいちゃんが悪いのか、それともトラック側の過失なのかわからない。しかしひとついえるのは、家が近いからといって無理して距離を伸ばすのはよろしくない。 ただ、80年生きて最後好きなことをして亡くなったんだから、それだけは救いか。

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