家のダイナミックバランス

私の住む茨城の真ん中くらいの場所は、始終地震で揺れています。東日本大震災直後の余震で、一ヶ月くらいずっと揺れてて、家の壁に隙間ができました。壁にモルタル用のシーリング材を入れて補強してみましたが気休め。それにしてもこの家は揺れるなあ古いから仕方ないなあとあきらめてました。

ふと天井をみるとちょっとシミのようなでも電気コードの放電で吸着したようにも見える汚れがあります。

雨漏りかどうか判断が付きません。

雨漏りなら早めの補修が必要です。仕方なしに懐中電灯を持って屋根裏に上がってみることにしました。すると、そこには書類の束がありました。物の置き場に困って事務関連の書類を屋根裏に押し込んでたみたい。入れた本人は忘れ、引き継いだ私はそうとは知らず、地震の前からずっと屋根裏にオモリとして書類の束が温存されていました。

書類ですから紙です。紙もミカンの段ボール箱にして5箱もあるとただのオモリです。ほかに上製版のハードカバーの本もでてきました。しめて総重量は20キログラムほどあるでしょうか。

これのせいできっと、家が揺れてたんです。どう考えてもおかしいのです。いくら風が吹いて家が揺れるわけがないんです。

取りあえずオモリを全部おろしました。するとどうでしょう、地震の揺れがちいさくなりました。箱全体が揺れる感じです。いままではどんな小さな左右の揺れでも拾ってました。頭の上のオモリを取ることで揺れは確実に変わりました。

この方法を応用すれば、遠くの地震を感じることができます。屋根裏にオモリを載せると震度1程度の揺れも感じることができて精神安定上よろしくありませんが、余震をはやめに知りたい方や地震マニアの方にはお勧めの方法です。ただ、周期がオモリまでの距離とぴったり合うときっと家は最初のひと揺れで壊れます。

いまおもうと、屋根瓦が片側に偏っておちた屋根の西側は、積んでいオモリのせいで揺れの振幅がほかとずれたのでしょう。周期や振幅のなかで一か所遅れてくるれば、所定の方向に向かって瓦は落ちるはずです。
家というのは箱ですから動的つり合いは縁のない世界なのですが、地震の国ですから少し気にしてもよいかもしれません。