箱根駅伝の車載カメラ

撮影に使ってたトライク(三輪バイク)は後ろを広いステップにしたデルタ型。トライクには前二輪のタッドポール型(tadpole=オタマジャクシ)と後ろ二輪のデルタ型があります。乗り物は単純に二輪より三輪のほうが安定します。

後輪が2つあるデルタ型の三輪車なので、後ろの車軸の上に人が立つ台がります。カメラマンが立ったままカメラを持つと、足、膝、胴体で振動を吸収できるため安定した映像が手に入ります。

たしか前年の2012年は二輪の後部座席にカメラマンを座らせて撮影していました。椅子では胴体から直接振動が伝わりますし二輪ゆえのロール揺れが起きるので不利です。オートバイは曲がるときにどうしても車体が傾くのです。

2013年版の撮影車は体の正面で抱えるハンディではなく大型の肩載せカメラでした。肩の上に常にカメラの重心がありますし、カメラ自体が重いので映像は安定していて落ち着いてみられました。

サイドカーのほうが一般的です。しかし、サイドカーは左右対称ではないので揺れの中心に人とカメラを配置できません。あの形の三輪バイクは珍しいので、いろいろ考えた結果あの車体に決めた中継チームの判断の裏にはいろいろな思惑があったのでしょう。デルタトライクの中央にポールを立てて万一カメラマンがおちてもカメラだけは残るような仕組みになっていました。

さすがにカメラマンも凧糸みたいなハーネスを付けていましたが、あれではカメラのほうが大事そうに見えます。カメラマンが落ちてもカメラ中継続けばいいと思っているようないないような。