あとの祭り

先日カメラスタビライザーを一台お譲りしました。いまごろ海を越えて外地に向かっています。使い方に不案内だろうと昨日設定マニュアルを書きました。書いたら急にMFT2012で出品したぶんが心配になりました。口頭で説明したつもりでしたが、そんな単純ではありません。嫁ぎ先のメールアドレスをいただいておけば昨日のマニュアルを渡せるのですが・・・・。お客様の中でバイクチームは理屈をご存じで平気だと思います。自主映画を撮っていそうなご婦人と幾人かのその後が気になります。ごらんになっていたらMailをください。

イベントがMaker “Faire” Tokyoだけにあとの祭りです。最近お譲りした分は持ち主と連絡がつくのでサポートいたします。

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先日劇映画の撮影隊が使ってる本式の業務用ステディカムを見ました。あんな高価なものは一生買えません。セッティングが驚くほど早く、サポートアームはこれでもかと「ふわふわ」してました。

カメラと写真映像の情報発信イベント CP+2013
カメラのイベントベストを着けて担げるそうです。間違ってローンを組みそうで怖いです。

本物を見たり、いろいろいたずらして作ってみてわかったことがあります。

  • ステディカムの開発費は莫大
  • 他社に比べて高価なのは材料費と加工費に加え開発費を含むため
  • ゆえにsteadicam社の製品は別格

おもにギャレット ブラウンですが、彼らはなにも無い状態からロケット技術で製品を作りました。ブラウンスタビライザーからマーリンができあがるまでの工夫は相当な物です。真似して自作カメラスタビライザーなんてものを繰り返し作ってみましたが、マーリンを見れば見るほどよくできています。あそこまで突き抜けた物とくらべると、開発費をかけていない他社の類似品が安定しなくても致し方ないと思います。

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一眼レフカメラにも使える「15ドル・ステディカム」をDIYすれば、もう手ブレなんて怖くない : ライフハッカー[日本版]
庶民には業務用は縁がありません。簡単に作れる15ドルカメラスタビライザーを作りましょう。あの曲がったパイプはアメリカから輸入?すればいいと思います。

$14 Camera Stabilizer
14ドルの方は鉄アレイこみで40ドルほどで買えるそうですし、シルバーフライヤーは作者が市場調査してましたので、問い合わせると譲ってもらえるとかもしれません。ただ、あの作った人は自作のあとにSteady Dragonから進化したSteady Dragon3.0を買っているので、やりきる前に製品に移行しています。

disk fragment: 3500円でステディカムを作ってみた

こうしてみると、1500円から3500円ほどが相場です。鉄アレイのキットが4000円ですから、材料費がそれ以下です。加工賃がでません。完成品の販売価格もマンフロットの折りたたみが1万円でありますけれど、原価は似たようなものです。

気軽に買えてなんとかなるのはフライカム ナノぐらいかなと。フライカムの上位モデルも性能が高いと聞きます。

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私はついこないだまで、スキー板とかリカンベントとか双眼鏡とかその他諸々を自腹で買って自主的に製品比較テストを繰り返して来ました。カメラスタビライザーは高価で、製品を買う前に全部自分で作ってしまいました。製品はひとつも買わずじまいです。スタビライザーに要求されることは単純に見えて案外高度です。要求に会わせて物をつくると部品が増え、売れる値段で作れなくなります。必要を備えるとマーリンの7万円で、売れる値段でつくるとそれなりのモノになります。売れる値段から原価を決めて作ると、当然部品点数は最小になり、機能不足に陥ります。商売としては正解ですが、カメラのスタビライザーとしては機能不全で調整を尽くせないものになってしまいます。


なんどか自作しそうになってそのたびに思いとどまるサポートアームです。日本国内のカメラメーカーの開発部がたゆまぬ努力でカメラを小型にしてくれたので、私はきっと作らずに済みます。