そしていつもの堂々巡り

ジンバルにベアリングを入れるかどうかソレが問題だ。ジンバルをユニバーサルジョイントでつくると機関部は小さくなるけれど、ユニバーサルジョイントにベアリングを入れるのは困難。アルミパイプでカメラステージをつくると持ち手周辺の強度の都合機材全体が大きくなってしまいます。

だから、構造を変更して作ろうと思うのです。

問題そのいち。ベアリングを3方向に入れた自在部品の構築が難しい。地球ゴマ式の同心円状のリングを作り、その軸をボールベアリングにせねばなりません。ベアリングの台座を作るのが大変です。私が以前作った塩化ビニールパイプを使った同心円のジンバルは、ベアリングを入れないからあの形とサイズに収まりました。直径で100ミリ。使いかけのガムテープくらいの大きさです。ここにベアリングを入れることも出来そうです。考えられるのが樹脂を使ったベアリングホルダをあとから追加すること。軸の太さを4ミリにしてうまく固定すれば実用にあるとおもいます。ただ、樹脂で固定してガタがでないか心配。ガタが出たり軸がズレるくらいなら、現状のベアリングなしの軸で十分です。

部品の数を極力減らしたいので、ユニバーサルジョイントを使いたい。それで、本体も極力部品を減らしたい。構造として継ぎ目をなくすことが大切です。そうなると、素材から加工したほうが簡単です。アルミパイプでカメラから下の棒なり板の接続まで1本で済ませるのが最高で、ちょっと前までメイン機材だったモデルは理想の形になっています。

今回カメラを一眼レフに切替えるにあたり、このままのアルミでは通用しないことがわかりました。実は実験的に載せてはいるのですが、カメラの重量が増えるにともないカウンターウエイトが同じ重さだけ増え、結果負荷が倍。重量にして500グラムほど増えてしまいました。それまで重さなんて感じないスリムタイプのおしゃれコンパクトデジタルカメラを使っていましたから、一眼レフを載せるとグライダーに戦車を積んだような状態になります。機体全体がしなって使い物になりません。

構造はなるべく古い手法を踏襲したいので、同心円タイプではなくユニバーサルジョイントで、グリップにベアリングを入れる既存の方式のままにしたい。ただ、カメラからハンドルまでの強度が断然不足します。きっと補強を入れても使うことはできないでしょう。16ミリのパイプはアルマイトとはいえただの細パイプですから、両端に500ずつオモリを積めば歪んでしまうのです。

直径を倍にするとしならないけれど今度は加工が辛くて思い通りの形になりません。パイプにシワを付けずに曲げるなら、最小のカーブは30センチ半径程度と相当大きくなります。ならばパイプ径をそのままに肉厚だけを倍にしてもダメでしょう。ウチにたまたまあった22ミリ肉厚2ミリのアルミパイプを手にしてみると曲がる気配が皆無。堅すぎて砂を詰める気にもなりません。

こうなると、パイプの素材を変えるか、素材はアルミのまま並行に並べて二重にして強度を倍にするかのどちらかです。並行に2本使うのが比較的実現性が高いそうにおもえます。ただアルミの中空パイプを使うのであれば結局最小の曲げ半径が決まってしまい、ジンバル・ハンドルが縦方向、カメラステージが水平で90度の角度を曲げで実現すると、やはり半径20センチくらいとなり、半分で済むとしてもテニスラケットくらいの丸形になってしまいます。そんなフライパンみたいなものは持ち歩けませんからどこかで工夫しないと。

それで、2014/02/26現在。

生き残っている案

電工用の鉄パイプ
16ミリだか15ミリなので、いまあるパイプ群を流用できるかもしれません。ほんと余計な工作がしたくない。
鉄の棒
細い鋼材を使って、ハンドルからカメラステージまで作ってしまう方法。重量増は確実ですが強度があります。また、アルミ中空パイプと違い直角に曲げても強度が保たれます。急角度が使えるならば考えている小さい構造物になるはず。

廃案とその理由

アルミパイプを使う
曲げ半径の都合嵩張る
アルミ板を使う
薄くて、補強が必要。強度を出すため半円筒形にする手間と部品としての合理性がたりない。合理的と思える三次元に叩いて作った特殊な球面は見た目がよくても製作が相当にしんどい。
棚を下から支えるL字金具を使う方法
見た目がかっこ悪い。

とにかく継ぎ目を変えたり素材を途中で繋いだりすることは私にとって「悪」です。だから、ジンバル・グリップ周辺で一度継ぐのは譲歩。本当は1本で済ませたい。