扇風機の掃除

扇風機を使う前に掃除します。パナソニックの普及型の扇風機です。電源ボタンはメカではなくメンブレンスイッチなので、古くなるとメンブレンの上にあるビニールが割れてしまいます。補修が効かないので見ないことにします。首が上下しない安価な型式ですから仕方ありません。

扇風機はだいたい10年くらいが寿命です。たとえばサンヨーがOEMを含め大量に作っていた昭和の後半の製品は動くとしても限界です。

本日分解しますのは平成になってからの製品です。国産普及品なので、構造は単純。樹脂もほどほどの物を使っているので分解清掃に耐えられそうです。ただ安いだけの妙なブランドですと、樹脂の劣化も早くてとても分解する気になりません。

モーター回りを掃除する手順を書いていきます。

先ずは前カゴをはずします。羽根の下あたりにある倒立式の爪を抜くと前のカゴが外れます。

次に羽根をはずします。

羽根の分離

羽根の取り付けは左ネジなので左手で回します。メーカーごとにネジの向きが違いますから、羽根の取り付けネジに書いてあるユルム-シメルの指示に従いましょう。

裏カゴ

モーター軸の外側に樹脂製のナットがあります。こちらはモーターの回転と関係ありませんから、右ネジでした。ドアノブほどの太さのナットをはずします。

モーターカバー

いよいよモーターのカバーを取り外します。前2本後ろ1本のネジが見えます。分離するには首振りのスイッチ軸がジャマなので引き抜きます。スイッチは歯車を上げ下げして首振りのオンオフを切替えます。単純な構造ですから、組み立ての手間を思うとほぼネジ止めしていることはありません。万が一を考え軸の中を懐中電灯でのぞいてネジがないことを確かめて、思い切り引き抜きました。軸は中空パイプに切り込みを入れて樹脂の弾性だけで繋がっています。

ネジをはずすとカバーが外れます。裏側は相当に汚れていました。早速、食器用の中性洗剤で洗います。カバーには空気取り入れ用の隙間が開いていますので、洗剤を付けて亀の子たわしでホコリを取り除きます。細かい部分は歯ブラシを使います。良く確認しながら作業しましょう。乾いた後に汚れを見落とすとやり直したくなります。

モーターの清掃から組み立て

本体側は稼働部から落ちた余分なグリスと綿埃がまとわりついています。爪楊枝に細く切った布を巻き付けて、届くところの汚れはすべて取り除きます。

はずしたカゴは風呂場で水洗いをしました。前カゴの中心にある樹脂部品も外れたので、カゴが収束する部分も剥き出しにして歯ブラシで磨きあげます。

使用中に扇風機の取ってを持ち上げるとカゴと羽根が当たってカラカラと音がします。鉄のカゴは金属の復元力で真っ直ぐになろうとします。そこで、カゴを床に伏せて上から手で押して本来の曲げを取り戻します。曲げが戻れば羽根とカゴの干渉はなくなります。

全体を洗い終え、水を切り1時間ほど陰干しして組み立てました。こころなしか動きが軽くなったような気がします。