1980年代SFアニメ映画について

私が子供の頃、近所の公園で夏になると映画の上映会がありました。当時はまだフィルムの時代で、どこからか調達してきた布製の巨大スクリーンに映画を投影してました。スクリーンを釣るためだけに丸太の足場を組んで、そこに布をぶら下げてました。地元の有志が趣味で流していたものです。毎年流れていたSFアニメ映画はこちら。

劇場版「地球(テラ)へ」 ノーカット予告 – YouTube

アニメが映画より下に見られた時代がございました。映画の実写から監督を呼んでこないと映画の予算がでないという酷い時代です。宇宙戦艦ヤマトのようなスペースオペラが受けるんじゃなかろうかと読んだ東映のたぶん偉い人が、よーし作るぞと意気込んで出したのが「地球へ」です。

吹替えのクレジット1枚目を若手俳優で揃えた結果、井上純一、沖雅也、秋吉久美子って布陣です。ちなみに井上純一は戸田恵子の元旦那。沖雅也は涅槃で待ってる人。秋吉久美子は青い三角定規のひとりと結婚されていたそうです。

秋吉久美子 ふるさと東北への思い – YouTube

「テラへ」は、制作が東映なので東映動画が作っているとおもうのです。余計な回り込みとか、ものがぶつかる前に亀裂が入るへんなシーンが予告編にありますけれど、これがこの当時の日本のSFアニメ映画の到達点なのでしょう。宇宙戦艦ヤマトを讀賣がつくらなければ、もしかするとアニメ化されなかったかもしれない。

東宝やはりヤマトのあおりなのか、火の鳥2772という映画を作っています。
火の鳥2772 愛のコスモゾーン (手塚治虫)(1980年)_10 – YouTube

映画だから枚数を使う、映画だから芝居を映画と同じにするという考え方が、ふだんテレビで見慣れたリミテッドアニメの演出と違うため、子供の私はぜんぜん見られない映画でした。お芝居がゆっくりですと飽きてしまうのです。トムとジェリーの疾走感を見慣れた眼にはとまって見えます。

70年台後半から80年台前半にかけての映画って全体的にリズムがのろいのかというとそういうわけではなく、たとえばルパン対複製人間、マモー編は1978年の制作です。リドリースコットの「エイリアン」は実写なので参考になりませんが1979年です。

1983年の24時間テレビのスペシャルアニメがこちら。
タイムスリップ10000年 プライム・ローズ – YouTube

30年たった今の映画はこんなかんじになります。リズムがぜんぜん違いますね。
コードギアス 亡国のアキト – 予告 – YouTube
戦闘マシーンに乗っている人の写し方は一緒です。コードギアスが標準のいまの中高生に、地球へ、火の鳥2772、プライムローズと順番に見せて感想を聞いてみたいところです。

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ためしに10本選んでみようと頑張ってみましたが、結局こんな感じです。映画縛りはちょいと辛いものがあります。カリ城は、オトナになってから見ると気恥ずかしいです。乳首スイッチのマモー編のほうが好き。クレヨンしんちゃんはひとつまえのオトナ帝国のほうが世間の評価は高いのですが、戦国大合戦の姫の描き方に参りました。これがなければすなおにカリ城を2位に入れています。

時代の流れを変えたということで「風の谷のナウシカ」を入れています。エヴァはエンターテイメントに徹した新劇の破が好みです。旧劇もきらいじゃないんですが、あらためて見るかといえば見ないでしょう。

今回選んだ5本は、DVDを買っておいたらきっと繰り返し今後も見るだろうなという5本です。あとで気が変るでしょうけれど、2014年版の今の暫定上位です。

1ルパン三世 ルパンVS複製人間
2クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ! 戦国大合戦
3風の谷のナウシカ
4ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破
5伝説巨神イデオン 発動篇

「ヱヴァ」のへんなエはどうやったら出るのでしょう。

イデオンはリアルタイムでは見ていません。スペースオペラではありますが、スターウォーズやスタートレックのようなお上品さはなくて昼のドラマみたいにどろどろしています。CG予算があるならばNHKの大河でひとシーズンながしてよいシナリオだと思います。身内同士の粛正が素敵。