ボールペンのクリップを観るのが楽しい

私が材料工学の強度計算ができる理由。

子供のときに自転車をいろいろ改造していたから。

子供用自転車のハンドルポストを延長したり、シートポストを長くしてヒルクライムマシンに改造して遊んでいました。

ハンドルポストは今ならオークションで長いのが簡単に手に入りますが、当時は金属クランプとボルトで自作していました。ホームセンターで手に入るステンレス巻きパイプはきれいなだけで強度がまったく乏しいと知ったのはこのときです。自転車は基本がパイプですから、内径外径に合わせて強度を出す方法や、パイプをボルトと金物で直角に突き出す方法など、散々済ませてきました。

なにせ自転車は自分の体と命を預けますから、下手に取り付けると走行中に怪我をします。そんなこんなで体を張った実験を繰り返してきたので、専門教育を受けてないわりには材料の選び方に関しては正解を求めることができます。大人になってから家具を修理したりカメラの小道具を作るときに役に立ちました。あとは、バール一本でできの悪い家電を破壊するのが得意です。急所が見えます。

材料工学の基本が分ると、二級品が観て分ります。設計段階で失敗しているもの、生産性を優先して形だけ作ったモノなど残念なことに使いにくい商品が世に溢れています。

残念なモノをみてがっかりする半面、地味でチープな品物に心血を注いだデザインをみつけるとうれしくなります。商品の値段とデザインの良し悪しには相関関係はありません。安くても心意気のよいものがあります。ボールペンの胸に引っかけるちいさなクリップを観ていると半日くらい楽しめます。