フィールドスコープの選び方

天体望遠鏡は、ハレー彗星騒ぎを間近でみているので安物は見慣れています。メーカーもどこから天体専用の望遠鏡が必要なのかちゃんと言わないと、落目の呉服業界みたいに高いだけで敷居が高くて若者がこなくなってしまいます。

私の装備は貧弱です。写真をあまり撮影する気はなくて、ただ星をみてきれいだなとわかれば良かったので子供のときは壊れた双眼鏡の片方と紙筒で小型の望遠鏡をつくってベランダで寝転んで観測してました。いまは対物30ミリほどのダハプリズム式の単眼鏡で観察しています。手持ちです。

架台は作ろうとおもえばいくらでも作れるようになっています。椅子にすわってとか、リクライニングシートにあわせて見るなんて土台は、いろいろなパイプと板とクランプの組み合わせで作れます。実運用では台を使うのは面倒で、たとえばちいさなクッションとか畳んだ段ボールをサンドバック代わりに敷いて依託して観察してます。

いっとき15キロ以上ある双眼鏡も使っていましたが、重さと使用頻度は反比例します。Z式の、ふつうの三角プリズムを二つつかう単眼鏡もありますが、ダハプリズムとそれほど差がなければダハのほうが使い勝手はよいとおもいます。飛んでる飛行機を追いかけるときは単純な筒の形をしている単眼鏡のほうが便利です。

倍率を変えようと思うとフィールドスコープ、スポッティングスコープとよばれる対物50ミリ以上でプリズムが入っている以下のモデルが便利です。野鳥観測でカメラ三脚にのせている緑色や黒の望遠鏡といえば分かりますでしょうか。ケプラー式でそのままでは天地がひっくりがえる光学系に、Z式の二つのプリズムを入れること正立像をえています。対物レンズの軸の上に接眼レンズがくるのが特徴です。

ふつうの視野を得るならフィールドスコープのほうが楽です。主なメーカーです。

Nikon Sport Optics | 製品紹介 | フィールドスコープ

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フィールドスコープ|株式会社ビクセン/Vixen

YUKON スポッティングスコープ | ケンコー・トキナー

ケンコーの古いモデルをつかっていたことがあります。重いので持ち出すのが億劫になって、ポケットに入る単眼鏡でたいがいの観察をすませています。

カメラ三脚でも充分つかえます。欲をいえばオイルフリュード雲台をつかうと、微調整が楽になります。私が使っているのはハクバが昔出していたビデオカメラ用のオイルフリュード雲台。ジンバル雲台ではないのでバランスは完璧ではありませんが、水平のピッチング軸が両持ちで、微調整が効きます。倍率でいうと10倍くらいならカメラ用でも平気ですが20倍より上のときは良い雲台ののった三脚があると望遠鏡の力を十二分に発揮できます。

フリーストップやジンバルマウントでカメラを保持する方法もありますが、実用としてはちょっと良い三脚をつかうのがコツです。そして三脚はリサイクルショップでなぜか格安で手に入ります。

天体望遠鏡とフィールドスコープは別物です。もともと暗い星まで観察する、高倍率を得るための天体望遠鏡と、射撃の着弾を観察する観的鏡は目的が異なります。

フィールドスコープで空をみるときは月くらいが限界かもしれません。土星の輪っかがみえるかどうか。星雲星団を見るには楽しいと思います。適材適所ですから本格的に天体観測をするならば安くても華奢でも天体望遠鏡のほうが有利ですが、なんとなく望遠鏡がほしいなと思ったときにじゃあどちらが良いかといえばフィールドスコープでも十分ではないかなと思う場合があります。

いま、私の環境ですと土星の輪はみなくてもいいかなとおもっています。スバルが見たいときは単眼鏡を三脚にくくりつけてみますし、月食なら望遠レンズ付きのデジタル一眼レフで撮れるので、押し入れから60ミリの屈折鏡を出す機会がほとんどなくなってしまいました。

よい単眼鏡の見分け方 – 工作室