長崎線の重大事案について

長崎線のすれ違いミスについて。当日毎日新聞の記事で1度理解したのですが、分りにくかったので図を書いて考えました。

JR長崎線:わずか93メートルまで…特急同士が衝突寸前 – 毎日新聞
毎日の記事は事故翌日くらいに読んだのですが、枝葉の情報が多くて理解に苦しみました。そこで情報を絞って説明しなおしてみます。二次情報なので、正確さに欠けけますが、動きを理解するためにあえて書き直します。

問題点

だれに責任があるのかの判断はここではしません。ポイント切替えの時期を遅くしたこと。位置把握のミスが重なりました。

正式な調査結果を事故調査委員会などの資料で確認して下さい。なにが起きたかを追います。

列車の位置関係

1-1 実際の停止位置。赤は停止。青も停止。

2-1 運行指令の頭の中。駅と列車の距離が遠いと無線で把握。
   B から B’の位置に移動させたのち、ポイントを切替えてすれ違いをする予定でした。

単線でのポイント切替ミスによる長崎線の重大事故事案について
単線でのポイント切替ミスによる長崎線の重大事故事案について

位置のズレ

運行指令と運転手の間に位置のズレが生まれます。正確な位置を把握するモニターがない、駅に設置したカメラで列車を見ているわけではないので、ズレはズレとして残ります。

1-2 運行指令が前進を許可。
2-1 B’の、信号位置で止めたのち、ポイントを2-2の状態に切替える予定でしたが現実は1-2。

1-2 ポイントは図の状態。あわや正面衝突。青列車の運転手がブレーキで停止。1-3

どうしてこうなったのかだけ見てみると、ようはポイント切替操作の前に余計な仕事をしたことで危険が生まれました。指令が上司で運転手が部下であれば、部下は反論せずに切り替わったものと考えて(2-2)前進するでしょう。

改善案

複線化。高く付きますね。

列車停止装置兼センサーを駅から離す。駅の遠くで列車を待避させると、駅近くの踏み切りがなりっぱなしになるのであまりよろしくない。

万一ミスしたときにぶつかるポイントのまま動かしたことが最大の問題です。かりに間違えて進んでも問題ない組み合わせにしておけば、事故は起きないはず。

ポイントが切り替わったことが運転士には見えないことも問題です。ポイントがどちらを向いているか見えれば、おいおい、ぶつける気かよと無線で確認ができます。仕組みとして無いのかもしれない。むかしはポイントにレバーなり信号板が付いてました。

運行指令が正確な場所を把握できなかった点も問題です。運転士との無線通信聞いた数字がおよその数であったため、すこし前進させてやろうと指示を出しています。10メートル刻みで列車の位置を把握するモニターなどの装置がなかったと思われます。

特急電車ですから、単線運行におなじみの輪っかを腕に通せとは言いませんけれど、ぶつからないワークフローをお願いします。人間が管理してる限りはダメなのか?