もしかすると当たり前のことなのかもしれない。宇宙戦艦ヤマトを観てアルマゲドンもインディペンデンスデイも出来てる。
いや、宇宙戦艦ヤマトも考証にSF作家を呼んでいたのでヤマトの元ネタが小説であるのかもしれない。さすがにハヤカワのミステリ文庫の有名どころはいくらか読んでいるけれど、あの膨大なハヤカワSF文庫は手つかず。学校の近所にあった古本屋が改築する前は、SFだけで結構な棚を占めていました。いまはブックオフに行くとせいぜいひと棚、一列分もなくて中規模のお店でも300冊あるかどうか。昔はふつうに千とか二千冊あったわけで、読む人が居なくなったんですね。
アルマゲドンは、彗星が飛んできてぶっ壊す話。最後のレバーって、どうかんがえても必要が無い。NASAがいまさら圧電着火方式なんて採用しないって。あのレバーは波動砲から持ってきたのではないか。
インディペンデンスデイは飛行機の形がコスモタイガーVS白色彗星軍団に見えます。まあこれはスターウォーズからもらってきたのかもしれません。敵の基地に潜り込んで爆破、撤退するまでの流れは今観ても良くできてます。
非常に映画的に作ってます。水の表現やメカの描き方が狂気じみていて、よくもまあ、セル画で作ったわと感心するばかり。いまはもうCGの時代ですからCGを使うのですが、CGにすれば映像がもっともらしくみえるようになるかというとぜんぜん違うのが不思議です。最近出来たキムタクヤマトも良くできているのだけれども、もっともらしい嘘をついている劇場版の宇宙戦艦ヤマトのほうがよく見えます。
たぶん違いは演出家の映画についてのとらえ方の違いで、カット割りなのか編集なのか分かりませんがキムタクヤマトにないものが沢山詰まっています。たぶんそれは怨念みたいなもの。
その怨念に当てられて、宇宙戦艦ヤマトをみて人生をアニメに投じたひとがたくさんいるのも理解出来ます。当時はまだ代々木アニメーションが学院がありませんので、70年代末から80年代初頭は東京デザイナー学院アニメーション科に大量に入学志願者があふれ、いま一線で働いている監督や演出や作画のそうそうたる人材を輩出しています。もうこの学校は大学にすればいいのに。
あと、ヤマトの怨念としては二次対戦の、パッと活躍しなかったホテル呼ばわりの艦と戦争に負けた鬱積が世代をひとつ置いてへんなかたちで噴出したように見えます。ある種のIF戦記であり戦中派の夢。それが形を変えて、子供のオモチャの刀がプラスチックの白いのになってしまった世代の好戦的な気分に火をつけたのではないか。
「宇宙戦艦ヤマト」をつくった男 西崎義展の狂気