狩猟と採集

朝気まぐれに散歩に出たら近所の池に釣り師が二人。ともにヘラ台持ち込み、細身の継ぎ竿。鯉しかいないだろう池なのに、あんな細い竿を使ったら一発で腰抜けになりそう。腰抜けとは、竿のシナリがなくなること。細い竿に太い道糸で引っ張り合いをすると、腰が砕けてへたります。へたった状態になると、魚の当たりに反応するだけで竿が曲がってしまい本来の性能を果たせません。

そこでヘラブナ釣りの人たちは、ものすごい細い道糸を使います。ハリの縛ってあるハリスはさらに細く、髪の毛ぐらい。ナイロンなので強度はありますが、たとえば尺ごえの元気よい鯉が走るとハリスが切れる程度に細い設定で釣ってます。

私も釣りをしていたときは渓流竿に1.5号とか2号くらいの道糸を使ってました。針は袖針の5号ぐらいまでで、おもにちいさい魚狙い。ヘラ台は使わず、脚を使って移動しつつ狙います。その池ではよく間違えてザリガニを釣り上げたり、鯉に針を持って行かれたり、目立つ金魚を追いかけ回したものです。

狩猟採集民族の血が沸くのでしょうか。時代がもうすこし早かったら狩猟ブームで鳥打ちをしたかもしれません。来る途中で雄の雉を見かけました。あれ、撃てと言われて撃ちたくない。50メートルぐらいありましたから、鳥撃ち用の散弾か空気銃の射程なのでしょう。近づけるとは思えないし生の鳥に触りたくないぞ。

田植えの季節で用水路に水が流れています。水のなかに緑色の斑点が見えます。藻の付いたタニシです。タニシが群生しています。あれをひとすくいして割ってエサにして鯉を釣ると沢山釣れそうです。でもたぶんつり上がるのは真っ赤なアメリカザリガニ。

釣りの趣味は再開しそうにありません。独りでじっくり座っているだけの楽しい遊びなのですが、釣りをしなくても普段からそんな感じなので、道具も不要となりました。釣りの代わりになりそうなのは独りサイクリングとか、独り喫茶店とか散歩でしょうか。人と関わる趣味もあるのでしょうけれど、それは今人に接しないようにしている反動でちょっと楽しそうに見えるだけで、何十年もたのしく騒ぐ趣味に手を出さないのですから向いてないんです。自分が一番良く知っています。

やるとしたらザリガニ釣り。