イチゴ運び競争

NHKのホコタテみたいな番組を見てました。高級イチゴを台車に乗せて揺らさない装置をつくる対決です。

プラスチックのタイヤが段差でばたつき、振動の原因になっていました。バネ下重量は小さいほど有利ですから、台車のフレームの下にスイングアームを付けてお終いではないかと。

凹凸の大きさから考えると16インチの自転車用タイヤを使う方法も有効です。タイヤの空気圧を低くしてダンパー効果を使います。この場合サスペンションは不要です。三輪の中心にイチゴを置くだけで振動は小さくなります。また、イチゴを載せる部分にベアリング軸のついたジンバルマウントを採用するとさらにイチゴは安定するはずでしょう。

どうしても台車を使うなら

たぶん台車を使わないと競技にならないので、台車をつかうならどうするか考えてみました。フロントのタイヤが回転するのはステアリングロッドを付ければ解決します。左右をリンクロッドで繋げばいいんです。

もうひとつは回転軸を傾ける。取り付け軸は垂直です。ちょいとばかり角度を傾けることで段差に沿って滑らかに動くようになります。自転車の前輪が垂直ではなく前に突き出した軸に支えられて居ることは、皆さんご存じだとおもいます。自転車の前輪のようにヘッド角度をつけると、走りは良くなります。

テレビ番組では機械メーカーとゲル屋の対決でした。なんだかゲルが一方的に不利に見えました。

もし参戦するなら

私なら台車の荷台にミカン箱をひとつ置いて戦います。中にゴム紐を張ります。イチゴの入った箱を吊して安定させます。イチゴの箱側に300グラムほどオモリを載せて、ゴムの反発のレートとオモリの重量を調整して安定させることにします。

カメラ防振装置の開発でさんざん実験したので、移動時の車から拾う振動がどんなものかよく知っています。私なら台車に乗るくらいの円い筒を段ポールで作って、ゴムを吊る方法で対応しますね。

Bumbleride Flyer Reversible Handle Stroller – Germany
なんのことはない、防振技術が発達してる乳母車で運べば解決ですよ。

あとは日本通運の美術品を運ぶチームを招集。国宝を無傷で移動出来るのは、彼らです。ただ、きかくとしてはホコタテというよりテレビチャンピオンです。

企画の主旨を無視するならば

最初から出前機をつかえば、一瞬で解決です。

原付バイクに付いている出前機は急発進しても汁物がこぼれません。

どんぶりは急発進時、慣性の法則からわずかに置いて行かれます。どんぶりの置いてあるフレームはエアサスペンションか金属バネでぶら下がっていますので、バネを視点として、どんぶりを載せたフレームは振り子のように後方に持ち上がります。

このときどんぶりは、短いですが振り子の軌跡をなぞります。結果、どんぶりの中身は下方向に働く遠心力で下方向に押しつけられるので安定するのです。

ときどきカメラを積もうと試みる方がいらっしゃいますが、出前機は揺らさないための装置ではなく揺れたときにどう安定させるかに特化した優れた機器です。だからカメラのマウントには向きません。カメラ用の防振装置ははまた別な構造なのです。